一年経って

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今日は 2021年6月12日です。

一年経って
 東京都内の銭湯などの公衆浴場の入浴料が、8月から10円値上げされるとのニュース。理由はコロナ禍で利用者が減り、収入が減少した銭湯を守るためだそうです。

一律10円の値上げが銭湯を守ることにつながるのかどうかは分かりませんが、温浴マーケットのいびつな部分が、ほんのわずかですが是正されたと思っています。

前回の記事で、「マーケットの自然な発展を妨げる入湯税は、できることなら全廃して欲しい制度だと個人的には思っています。」と書きましたが、公衆浴場料金は入湯税と同様に極めて不自然な制度です。

各家庭に浴室が普及しておらず、生活衛生を維持する上で銭湯の存在が必要不可欠だった時代はとうに過ぎ去っているというのに、いまだに行政が各種減免措置で保護しながら入浴料金を安価に統制する必要はもうどこにもないと思います。

自由競争から取り残されてしまった銭湯は衰退の一途であり、物価統制令などでは守れないことは、今日も銭湯の減少傾向が続いていることからも明らかです。

事業が存続できるかどうかは、世の中が求める価値を提供しているかどうかの一点にかかっています。

時代の変化に伴って、求められるものも常に変わっていくのですから、変化を不自然に妨げてしまう制度は足枷でしかないのです。

単に入浴料の上げ下げということではなく、私は銭湯こそが、小商圏で地域の生活に密着した温浴施設としてこれからも必要とされる存在だと思っています。そのためには、自由に価値を創り出し、自由に価格設定できるようになると良いのですが…。

 ちょうど1年前の2020年6月12日、「安全対策と料金改定」というタイトルで、これから温浴施設の料金をどう変化させていくべきなのかということについて触れました。

その要旨は、
(1)コロナ禍で客数ダウンになっているにも関わらず、運営コスト増、利用人数制限となれば、客単価アップしないと収益性は維持できない

(2)そもそも海外に比べて日本の温浴施設の入館料設定は、銭湯料金に引っ張られて安過ぎる

(3)単なる入館料値上げというだけではなく、多様な料金体系の可能性を模索すべき

といったことだったのですが、それから1年経ってどのような変化があったでしょうか。

・六本木で開催されている期間限定イベント「チームラボリコネクト」は100分4,800円(平日)の設定

・THE SAUNA(長野県)は1人2,000円、貸切は14,000円〜の設定

・Sea Sauna Shack(千葉県)3人まで13,800円、4人目から1人+2,900円の設定

・ソロサウナ tuneは60分3,800円の設定

・HOTTERS24(兵庫県)は月額8,910円のサブスクリプション方式

といったように、新たに登場した施設は、従来の温浴施設の料金体系とはかなり異なるものとなっています。

一方、従来からあるスーパー銭湯や日帰り温泉では…

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