物販の集客力(1)

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今日は 2021年6月7日です。

物販の集客力(1)
 先週の6月5日土曜日に、東名厚木健康センターで開催された「サウナ闇市」の様子を見に行ってきました。

サウナ闇市というのは、昨年から何度か開催されているゲリラ的物販イベントなのですが、今回は過去最大規模での開催とのことで、新宿と横浜から特別バス便も運行されるなど只ならぬ雰囲気を醸し出していました。
https://note.com/ponyolion/n/nc31676bd1274

13時からの開催とのことでしたので、30分前に到着して入館しようとしたら、エントランスからは入館待ちの人が溢れ、地下から会場の5階までの階段がイベント開始を待つ人で長蛇の列という信じられない光景。

並ぶのは苦手で、温浴施設の行列は飲食店や小売店と比べて回転が悪いので、おそらく1時間待ちでは到底済まないだろうと考え、泣く泣く入館を諦めて帰ったのですが、これは温浴業界にとって歴史的な転換点のひとつとなる出来事なのかも知れないと思いました。

温浴施設の物販というのは付帯部門の中でも優先順位が高い方ではなく、そこそこの収益貢献はあっても集客力まではあまり期待されていないというのがこれまでの実態です。

その物販でこれほどの集客をするというのは、おそらく温浴業界の歴史始まって以来なかったことでしょう。

そのようなことが起きた最大の理由は、イベント参加団体の顔ぶれにあります。

前回記事で「サウナ好きの人たちはなぜかTwitterを使う人が多く、そのネットワークはおそらく万単位の人による巨大なコミュニティとなっている」と書きましたが、今回のイベントに参加している皆さんはいずれも多くのTwitterフォロワーを抱える人気者で、全国のサウナファンに対して大きな影響力を持っています。

その人たちが結集してサウナグッズの展示即売会をやるということで、サウナ愛の強い人たちが一斉に反応したのです。

しかし、大量集客の理由はTwitterの拡散力や、人気者に会えるからということだけではなさそうです。

闇市で販売している商品は、入浴のための必需品やお土産といった、通常温浴施設の売店で販売されているものとはまったく違います。

人気サウナ施設のオリジナルグッズであったり、サウナカルチャーを身近に感じるための商品であったり。それらは小売業のマーケティング用語で言うと「生活創造性」とか「目的購買」と言われる消費行動です。

この消費行動はもっとも目的性が強く商圏が拡がるので、新宿や横浜から臨時バス運行という交通手段がピタリと合っています。

サウナ闇市のとんでもない行列は、人気施設のブランド力、人気者に会える、告知手段、商品、交通手段といった要素が重なりあって出現したということだと思います。

正直に言うと、私はこれまで温浴ビジネスにこのような可能性があるとは思っていませんでした。

温浴行動というのは、小売業用語で言うと「最寄り購買(近くて便利を求めて)」「比較購買(より満足度やコスパを求めて)」というところが主体で、よほど特徴的な立地条件や経営資源を持っていない限り、目的購買的な集客まではなかなかできないものです。

ましてや付帯部門の中でも売上構成比の低い物販ですから、あくまでも来たついでの消費で、物販が来店目的になるとまでは期待していなかったのです。

しかし、やりようによっては…

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