世相を映す(2)

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今日は 2020年11月4日です。

世相を映す(2)
 メルマガ第1380号「世相を映す」で、公衆浴場営業許可件数の長期推移グラフを掲載したところ、「営業廃止件数も見たい」というリクエストをいただいていたのですが、ようやくデータを入力することができました。

厚生労働省の衛生行政報告例(生活衛生関係)がデータの出所なのですが、古いデータはPDFだったり、最近のデータは単年度ごとに分かれていたりで、長期推移グラフの作成はちょっと手間がかかるのです。

しかし、やってみたらいろいろなことが分かりました。

まず、営業許可件数グラフは2006年をピークとする山のようになっているのですが、廃業件数推移も1年遅れの2007年をピークとする少しなだらかな山になっていました。

急増する新規開業施設に押し出されるように、競争力の乏しい施設が廃業に追い込まれたということでしょうか。

アップダウンの時期がほぼ連動しているということは、開業廃業件数の合計は業界の新陳代謝の活発度を表しているということです。

マーケットは人間の細胞と同じで新陳代謝を繰り返しながら維持・進化していくものであり、単純に開業が多くて廃業が少ないことが成長と捉えることはできませんが、2006年をピークに開業廃業件数合計もずっと右肩下がり。新陳代謝が不活発な傾向が続いているということです。

そして、2つのグラフを重ねると、2008年以降はずっと廃業件数の方が上回っています。

この10年間に新規開業した施設は比較的大型のスーパー銭湯が多く、廃業したのは銭湯や小規模な都市型サウナが中心。両者の集客力や売上規模の違いを考えれば、必ずしも縮小一辺倒ではないのですが、やはりライフサイクル的に成熟・斜陽感は拭えないところです。

しかし今後のことを考えると、開業よりも廃業件数が多いということは、いくら新規開業施設の商圏や事業規模が大きいとはいえ、エリアマーケティング的には空白地帯が増えているということであり、その隙間を埋めるべく小商圏・小規模業態が台頭してくると捉えることができるのではないでしょうか。

フィットネス業界の例もありますが、それが必然の流れなのかも知れません。

もうひとつ注目しているのが、未利用源泉数の増加です。

温泉掘削は…

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