大難を小難にするために

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今日は 2020年8月3日です。

大難を小難にするために
 先週末、埼玉県の病院で入院加療中であった新型コロナウイルス感染症患者が入院先を無断で抜け出し、一時行方不明となる事案が発生しました。

そして、この男性の立ち回り先に温浴施設があったという報道。

当然のことながらSNS上も騒然となり、「どこの施設」「バイオテロだ」「営業を続けるそうだが本当に安全なのか?」といった声があふれました。

施設側からすると、とんでもない災難でした。今回の風評により、しばらくは集客が大幅に落ち込んてしまうことになるでしょう。

県の報道発表資料を見ると、重要なことが二点あります。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2020/0731-12.html

ひとつは、「感染対策の徹底を確認しており、川越市保健所が濃厚接触者はいないことを確認済み」という記載です。

施設のホームページを見ると、館内消毒や利用マナー、換気など、安全対策をしっかりと実施していることが確認できます。
http://www.kuranoyu.net/kawagoe/

いまだ正体のハッキリしない新型コロナウイルスに対して、一体どこまで対策をやればいいのか?という困惑の声もあるのですが、今回は保健所が「ここまで対策していれば館内に感染者が来ても濃厚接触にあたらない」という見解を示してくれたということ。

今後はこのレベルの対策ができているかどうかが、安全対策の目安となっていくのではないでしょうか。

もうひとつの重要な点は、「*このたびの公表は患者が立ち寄った場所の利用者が特定できないため、同時間帯に同じ施設を利用されている方への感染拡大防止のために公表するものです。」という記載。

同時間帯の利用者が特定できなければ、施設名を公表して世間に広く注意を呼び掛けるしかないということなのです。

テロに等しい行為をした個人名は公表されず、被害者側であるはずの施設名が公表されることに異議を唱える声もありますが、これは処罰ではなく、あくまでもこれ以上の感染拡大を防止するための措置ですから、仕方ありません。

しかし、感染者が利用した施設としての風評被害は甚大でしょう。できることなら施設名は伏せてほしかったというのが施設側の気持ちだったと思います。

このことから、館内の安全対策徹底と同時に利用者特定ができるようにしていれば、万が一感染者の立ち寄りが発覚しても営業停止や施設名公表を回避することができる可能性があるということが分かります。

先日の関西ホテルレストランショーでも、「大阪コロナ追跡システム」が活用されていました。

施設の入場時にQRコードを読み込んでメールアドレスを登録するというシンプルな仕組みですが、それで利用者と利用時刻が特定でき、連絡がつけられるようになるのですから、感染者が出ても同時滞在していた人たちだけを追跡すればいいということです。

追跡システムは、大阪府のように行政主導で行われているものもありますし、民間企業が開発したサービスもあります。紙に記入してもらう方法であれば、今日にでも始められます。

以前メルマガ第1224号「記名と感謝」(2020年4月6日執筆)
https://club.aqutpas.co.jp/?p=1586
でお伝えしたように、今来てくれているお客さまは、自店を強く支持してくれている大切な固定客ですから、そのリストは手元に残して今後活用できた方が良いと思います。

感染者が自店を利用して騒ぎになるというリスクは、今後あらゆる場所で起きる可能性があります。しかし館内安全対策徹底と利用者特定によって、大きな災難を小さくできる可能性があるわけですから、すぐに実施するべきでしょう。

(望月)

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