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今日は 2020年4月6日です。
◆記名と感謝
先日熊本の湯らっくす西生社長とお会いしたのですが、熊本の温浴施設は大変な状況とのことでした。
熊本市内の温浴施設で新型コロナウイルスの感染者が出たということは以前書きましたが、その後、他の利用者(3人)にも感染が拡がっていることが分かり、クラスターになっている可能性があると報じられています。
https://this.kiji.is/616769079617111137?c=92619697908483575
当該施設はすでに休館していますが、3月26日に「温浴施設で新型コロナ感染者」というニュースが流れ、3月29日頃からは「温浴施設でクラスター発生」というニュースが全国を駆け巡りましたので、それを聞いて温浴施設に行くのをためらう人が増えたのも感じます。
特に近隣の温浴施設は利用者激減の憂き目にあっていますが、さらに怖いのは、休館した施設の常連客が他施設に流れていくこと。それによって温浴施設から温浴施設へとさらに感染拡大してしまうおそれがあります。
そこで西生社長のとった対策は記名方式です。受付時に住所氏名連絡先を書かせた上で、咳や発熱の有無、連泊不可の確認等もチェックしていただいた上での入館。万が一感染者が出た時に連絡がとれるようにするためです。
不特定多数とのお付き合いが基本である温浴施設にとって全員記名は異例の対応ですが、記入する側としても安心材料になるでしょう。
ふと気づいたのは、「記名してもらえば、いまの時期に来てくれたお客さまのリストが作れる」ということです。
最近何度か書いていますが、こんな時にも来館してくれたり、自店を気にかけてくれるお客さまとの繋がりこそ、最も強固な関係です。何かで急に話題になったり販促イベントにつられて来館といった浅いお付き合いとは価値が違います。
その大切なお客さまのリストがあれば、感謝を伝えることもできますし、特別に優遇することもできます。それは再スタートをする時に貴重な資産となることでしょう。
顧客との取引関係の記録を昔は大福帳、最近ではCRM(Customer Relationship Management)と言ったりしますが、江戸時代の商家の番頭は火事の際に、何よりも大切な大福帳が燃えないようにと、井戸に放りこんでから避難行動をとったそうです。
たとえ店が消失しても、大福帳さえあればまた復活できる。温浴施設にとってこの時期のお客さまのリストは、それと同じくらい価値があるのではないでしょうか。
(望月)