単純一律割引はもうやめましょう(3)

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今日は 2020年7月8日です。

単純一律割引はもうやめましょう(3)
 「一律」の反義語としてピッタリくる言葉がなかなか見つからないのですが、「多様」とか「格別」ということになるのでしょうか。

人それぞれに異なっている事情や欲求に対して、きめ細かく柔軟に対応するイメージです。

どこの誰がどんな気持ちでいるのかを考えて、その気持ちに寄り添った言葉やサービス、販促手法を考える方が何倍も有効」であり、そのためにはお客さまを一律的に捉える考え方をやめましょうという意味です。

前回は料金体系について述べましたが、その告知も含めて、今後の集客販促をどのようにしていくのかについて考えてみたいと思います。

まず、不特定多数に向けた万人向け企画では、人々の事情や心理がバラバラになっている今は高い反応率は期待できないと考えましょう。

大切なのは客層ごと、動機ごとにアプローチを使い分けることです。

今回は温浴施設の主力客層である「年配客」について考えてみましょう。

年配客層は、比較的時間と可処分所得に余裕があり、健康に関心が高いため、平日昼間にリピート利用してくれるありがたいお客さまです。

今はその年配客の来館数が大幅に落ちているために、全体の集客にも大きな影響が出ています。

どうやったら年配客を呼び戻せるのかと考える上で、まず重要なのはどうして来なくなったのかです。

言わずもがなですが、新型コロナウイルスは特に高齢者の重症化・致死リスクが高いとされていますから、感染不安心理は若年層の何倍も大きいでしょう。

しかも主な情報源が新聞テレビなので、日々恐怖を増幅させるような報道にさらされ、不安心理が強く刷り込まれています。

そういう年配客の心理を、数百円程度の割引で動かせるものではないと思います。

・感染不安を感じさせない安心環境
・免疫力を高めることの大切さ
・家に閉じこもってばかりではQOLが低下
・これからは夏の熱中症に備えた体力づくり
といったことを訴求する必要があるのです。

感染不安という点では、3密やディスタンスといった一般的な対策だけでなく、「自分たちは重症化のリスクが少ないから」と平気で動き回っている若い人たちと一緒になるのが怖いのだと思います。

会員制倉庫型小売店のコストコホールセールジャパンでは、現在「65歳以上、お身体が不自由なお客様、ならびに妊娠されているお客様を対象とした特別営業は、全国の倉庫店にて毎週火曜日と金曜日に午前8時から午前9時45分までの時間で2020年7月31日まで期間を延長して実施いたします。」としています。

いわゆるシニア優先の営業時間です。自覚症状のない若い感染者と一緒になる心配はありません。温浴施設も平日昼間の集客に悩むならこれに倣って優先タイムを設定してはどうかと考えています。

それから食物繊維、発酵食品、野菜、海藻類などの食材を駆使した免疫力アップの飲食メニュー提案。

さらに温浴によって免疫力の向上や暑熱順化、運動に近い健康増進効果があること。

こういったアプローチで、温浴施設なら行っても大丈夫というイメージになれば、平日昼間の集客も戻ってくると考えています。

あとは告知媒体です。メルマガ第1286号「古い販促手法を復活」(2020年6月20日執筆)で書いたように、ネット集客では年配客に情報が届かないので、ローカル型の販促手法をあらためて見直す必要があります。

(望月)

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