営業再開に向けて(9)〜生殺与奪の権

この記事は有料メールマガジンを一時的に無料にて公開しているものです。

有料メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」のご案内はこちら

==============================================================================

有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様

今日は 2020年4月30日です。

◆営業再開に向けて(8)〜生殺与奪の権
 案の定というか、悪い予感は当たるというか、緊急事態宣言の期間延長が普通に議論されるようになってきました。

「5月6日まで臨時休館」としていたところはどうするのか、です。

休業要請に応じていったん閉めたのは仕方ないことなのですが、いま考えなければならないのは、ではいつまで臨時休館を続けるのか、いつになったら開けられるのかということです。行政の方針や自粛ムードの状況に合わせて、と言っていたらいつになるか分かりません。

寝たきりがずっと続けば、いずれ立ち上がれなくなるのと同じで、休館の継続は確実に企業体力を奪っていきます。

経営コンサルタントとして、繁盛店であってもそんなに財務的余力がないことはよく分かっています。ついこの間までは資金を寝かせておくのは下手な経営と考えられ、現預金や借入枠に余力があれば積極的に投資して成長を加速させるのが正解だったのですから。

本社が内部留保の潤沢な大企業でもない限り、多くの温浴施設には事業存亡の危機が迫っているのです。

新型コロナウイルス感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか、3月末に中小企業に聞いたところ「3月末」から「6月末」との回答が計6割に上ったという調査がありましたが、温浴業界も事情は同じでしょう。

人気漫画『鬼滅の刃』に、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」という名セリフがあります。生きるか死ぬかという時の判断を他者に委ねている場合ではないということなのです。

幸いというべきかどうかわかりませんが、先行した東京都の休業要請対象施設から銭湯が除外されています。銭湯は「社会生活を維持するうえで必要な施設」と位置付けられているのです。

物価統制令云々といった問題ではなく、「お風呂」という役割が社会生活を維持する上で必要と解釈すれば、入浴機能は提供され続けるべきなのです。また飲食店も休業要請の対象外であり、適切な感染防止対策の協力や営業時間短縮の要請のみとなっています。鍼灸マッサージ(※国家資格有資格者が治療を行うもの)は休業要請対象外とされています。

東京都と同じ首都圏でも、埼玉県では、「スーパー銭湯」「岩盤浴」「サウナ」は明確に休業要請対象外と区分されています。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0401/covid19/documents/sigatusannzyuusisetuitiran.pdf

これらの総合的解釈と、休業要請自体が法的強制力を持っていないということを考えれば、自粛ムードに黙って従うこと以外選択肢がないわけではありません。営業続行、営業再開する理由も十分にあるはずです。

緊急事態宣言や自粛ムードはいつまで続くか分かりません。いま臨時休館している施設も、営業再開する日を自主的に判断すべきと考えています。営業しても厳しい状況には変わりないかも知れませんが、少しでもやれることをやって前進しましょう。

 再開に向けて取り組むべき具体策については、メルマガ第1242号「営業再開に向けて(7)」(2020年4月26日執筆)に書きましたが、タスクリストはその後も随時追加更新しております。参考にしてください。
https://club.aqutpas.co.jp/?p=1873

その後も各地の温浴施設でポジティブな情報が出てきていますので、ご紹介します。

・ドライブスルー温泉(前野原温泉さやの湯処)
 休館中ですが、駐車場でドライブスルー温泉と青空市場を開催。温泉は1Lにつき50円。
https://www.facebook.com/sayanoyudokoro/videos/257307249005099

・抽選プレゼント企画でリツイート(横浜天然温泉 SPA EAS)
 休館中のスパイアスですが、オリジナルアロマギフトセットを1名様にプレゼントの企画で、抽選対象者をtwitter記事をリツイートしてくれた人としたところ、たった1日足らずの間に141リツイート(4月30日12:00時点)。温浴施設の投稿記事が100リツイートを超えることはめったにないので、ビックリ現象です。
https://twitter.com/spaeas/status/1255407398136827905

・温泉デリバリー(ナステビュウ湯の山)
 県内客限定、営業エリア限定の銭湯的スタイルで営業を続けるナステビュウ湯の山ですが、同時に温泉宅配の新規事業を立ち上げています。果敢なチャレンジャー高橋社長ならではのスピード感です。
https://yunoyama.jp/news/1147

(望月)

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter