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今日は 2021年11月18日です。
◆きよめとは
12年ぶりに三重県伊勢市に来ています。
せっかくの機会なので、夜明けとともに散歩に出て伊勢神宮に参拝してきました。空気の澄んだ参道を歩きながら、「温浴ときよめ」について思いを巡らせました。
「公衆サウナの国フィンランド」(こばやしあやな著)にはこんな一節があります。
──建築家であり道具研究家の山口昌伴さんが、フィンランド人のサウナ文化と日本人のお風呂文化に共通した、歴史的(宗教的)意義に端を発する恒久的価値として、次の四単語を挙げています。
やすらぎ(心と体が緊張から解放される)
きよめ(心と体が浄化される)
いやし(心と体が患いから回復する)
たのしみ(心と体が楽しむ)
まさにこの四つの価値こそが、宗教的・神聖さが薄れてきた現代においてもなお、両民族がわが身を持って知り、継承している、日々の暮らしにサウナやお風呂を必要とし続ける理由そのものではないでしょうか──
温浴=(やすらぎ+きよめ+いやし+たのしみ)×(心+身体)
これは、私にとっても非常に腑に落ちる概念です。
ところで、上の要素のうち「きよめ」については、まだ十分に整理がついていません。
身体の清めとは、自宅での日常入浴以上に丁寧によく洗うことと解釈できます。きれいな水をたっぷり使い、上質なシャンプーやソープで洗い流せばすっきりと清められるでしょう。アカスリをすればもっと清めになりそうです。
沐浴、水垢離、滝行といったことは、いずれも水が関わっており、水によって清められるという考え方は世界共通なのかも知れません。水風呂もきよめに一役買うのかもしれません。
水のほかに、塩、酒、煙、香りなどにもお清めの効果があると考えられています。汚れを落とすだけでなく、腐敗を食い止めたり空気を清浄化することが清めにつながると考えられてきたのでしょうか。
手水舎の水で両手を清め、口をすすぐ。一礼して鳥居をくぐる。神前に進み姿勢を正す。二拝二拍手一拝。
おしゃべりをせず静かに目を瞑り、手を合わせて祈ったりしているうちに、ざわついていた心が鎮まって落ち着いてきます。頭を下げることで謙虚になり、感謝の気持ちやこれから頑張ろうという前向きな気持ちを生むようです。
これが心の浄めということなのでしょうか。
リラックスや癒しを提供し、ダラダラと思い切りゆるめてリラックスできるところが温浴施設という考え方は浸透していますが…
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