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今日は 2021年11月10日です。
◆風呂あがりのドリンク
長いお付き合いをさせていただいている温浴施設の過去ファイルを見ていたら、懐かしいデータを見つけました。
おそらく20年以上前のデータなのですが、それはPI値BEST20.xlsというファイル名で、いろいろな業態の温浴施設10件の飲食メニューの出数を集計して分析したものです。
「PI値」というのは、客数1,000人に対して、ある商品がいくつ売れるかを指標化したものなのですが、温浴施設の仕事をするようになる前は小売業のコンサルティングもしていたので、元々はスーパーマーケットの売上分析手法であるPI値を使って温浴施設の飲食メニュー分析に応用したのです。
概念としてはABC分析に似ています。
「主力商品」と呼ばれるPI値上位の品目は、多くのお客様にお買い上げいただく確率が高い商品であり、お客様の来店目的になっているし、よく知られている商品ゆえに選択眼も厳しい。したがって、主力商品の陳列方法、品揃え、価格、品質などは、集客力や売上に直結する重要事項として最も気をつけなければならないのです。
分かりやすく言うと、食パンや牛乳が頻繁に欠品していたら他の食品スーパーに行っちゃうよね、という話です。ジャムやハチミツを目的に食品スーパーに日々通う人はいないけど、食パンの近くにジャムやハチミツがあったら買いやすいよね、といった考え方にも広がって行きます。
ところで、当時の温浴施設の飲食メニューにおける主力商品は何だったのかというと、圧倒的に【生ビール】でした。
10施設の生ビール平均PI値は201。入館者1,000人に対して、生ビールが201杯売れるのが普通だったのです。最もよく出ている施設では、1,000人に対して生ビールをなんと406杯も売っていました。
自店の一定期間の生ビール出数÷入館客数×1,000で計算してみていただきたいのですが、PI値406というのは、今ではとても考えられない数字です。
そして生ビールと連動して定番おつまみである枝豆、唐揚げ、冷奴もよく売れました。
当時、枝豆、唐揚げ、冷奴を三種の神器と呼び、これさえ置いておけば飲食売上がそれなりに確保できる、とアドバイスしていました。
生ビールのPI値が200を下回っている施設は、何かビールが出ない原因があるはずと考え、メニューの見せ方、おつまみの種類、販促手法、室温調整、ビールホース洗浄…等々をチェックしていくと改善点が見つかるのです。
風呂あがりには生ビール。呑めない人は瓶牛乳、分かりやすい時代だったとも言えます。
その後、日本人のビール離れ、飲酒運転規制強化、酒税法改正などによって、かつての勢いで生ビールを売るのは難しくなりました。
しかし、乾いた喉と火照った身体に染み渡る風呂あがりドリンクを求める気持ちは、昔も今も変わらない筈です。
先日の有馬温泉太閤の湯のアウトドアサウナイベント会場では、どぶ漬けで各種ドリンクを販売したのですが、売れるのは…
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