神秘性(2)

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今日は 2021年10月14日です。

◆神秘性(2)

 昨日の記事に書いた「サウナが古いほど、身体がより浄められる」の話について、『公衆サウナの国フィンランド』の著者、フィンランド在住のこばやしあやなさんに、どう思うか聞いてみました。

日本とは6時間の時差あるのですが、フィンランド時間の朝イチですぐにお返事をいただくことができました。

──面白い記事ですね。あのビデオも初めて見たのですが、「サウナが古いほど清められる」という表現、正直身近に聞いたことないんです。

むしろ手入れや清掃不十分なサウナはバクテリアの温床だから健康リスクすらある、と現代では言われますし。。

だから望月さんの推測どおり、そのサウナの経年というより、古い時代のサウナ、すなわちスモークサウナを意味しているのではと私も思います。

スモークサウナは「燻す」「温める」の2大キーワードのもと、ただ発汗して身を清めるという以上に超多機能な場として重宝してたわけです。食物の燻製や酵母の発酵、母屋の建造や改装中の寝床、赤子の産湯や屍の清めなど。

それに文献上いちばん古い蒸気浴の原型で言えば、それこそスキタイ人が、焼け石を作ってそこにヘンプとかの種を撒いて煙とともに出てくるいわゆる麻薬成分で恍惚としてたらしいので。笑

いまでもフィンランド流のサウナ儀式を施すヒーラーたちは、まず針葉樹を火で燃やして、その燻煙をサウナ浴する人の身体にまとわせたりします。

煙、というのが一つの神聖さの宿る要素なのかもしれませんね。──

というわけで、私にとって目から鱗の情報を得ることができました。

「燻す」「煙」といった概念は、今の日本のサウナには完全に抜け落ちてしまっています。少し前までは「湿度」や「蒸気」すら抜け落ちていたのが日本のサウナのレベルですから、サウナブームとは言ってもまだ子供が騒いでいるようなものかも知れません。

神秘性があるかどうかはともかく、燻すということについてはすぐにでも試せることがあります。

営業時間外に…

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