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今日は 2021年9月7日です。
◆時代は巡る
昭和47年に初版が発行され、ベストセラーとなった舩井幸雄著「変身商法」の中に、こんなくだりがあります。
──「いつの時代でも、消費者にとって、同じ物なら安い方が良い」というのは、よく分かるのだが、同じ物のウエイトが急速に減少しつつあるのが現在である。また同じ物を多くつくればつくるほど、原価の安くなった以上に、売価の値下がりするのが昭和四十二〜四十三年以降の現状なのである。──
歴史は繰り返す、世の中は相似形などと言いますが、半世紀前に繊維業界や流通業界向けに書かれたこの言葉が、まさにこれまでの温浴業界のことを言っているようで、愕然としてしまいます。
船橋ヘルスセンターに始まったと言われる温浴施設の系譜は、ヘルスセンターから健康ランド、浴場機能に特化したディスカウント業態としての初期型スーパー銭湯、そこから付加価値を高めた後期型スーパー銭湯へとつながって行きます。
そのプロセスで起きていたことは、いつも「成功したビジネスモデルに倣った新規出店が増え、やがて競合が激化し、衰退していく」ことの繰り返しだったのです。
同じ土俵で激しく争うようになれば、差別化のために、より大きく、豪華に、豊富に、と投資や経費がかさむようになり、一方で価格競争があって値段は上げられないどころか割引合戦となっていく。これではビジネスが難しくなるのは当たり前です。
皆がこぞって同じ物を求めるのは、はじめの需要>供給の一時だけ。ひと通り物が行き渡ればあとは違いを求める消費に切り替わります。その時に同じ土俵にとどまって横綱や大関になれるのはごく一部の企業だけです。
今の日本では、どこにいても移動30分圏内には何件もの温浴施設があります。需要<供給です。そして多くの施設が同じ土俵に乗っています。そこにも危機感を持たなければなりません。
9月28日に開催される100事例セミナーでは「徹底的にパクってください!」と呼びかけています。パクって欲しいのはビジネスモデルやハードではなく、現場運営における戦術戦闘レベルの技術、繁盛店の発想や勢いです。
戦術戦闘レベルで勝率を上げて目先の危機をしのいだら、その先は…
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