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今日は 2021年8月24日です。
◆経営と運営の距離
昨日、顧問先の会議で今後の飲食売上アップの方針について検討している時に、私から「ブッフェの復活についてはどうお考えですか?」と質問しました。
その施設の飲食部門では、コロナ禍のために以前やっていたブッフェ(バイキング)は中止し、現在はアラカルトメニューで営業しています。
温浴施設は客層や利用動機が多様であるため、飲食部門は専門性を打ち出しにくいという事情があり、喫食率を上げる方法が悩ましいということを何度か書いていますが、ブッフェは温浴施設の多様な客層や利用動機にマッチする有効な方法であり、多くの導入成功事例があります。
しかしコロナ禍により、オープンな空間でブッフェ台の大皿に食材を陳列するスタイルが、感染拡大防止の観点から懸念されるようになり、ホテルやレストランでのブッフェは一時期ほとんどが中止となりました。
その後手指消毒や手袋やマスクの着用、小鉢や小皿に蓋をするなどの各種対策で不安は払拭されつつあり、ブッフェスタイルを復活させる施設も増えています。
飲食部門の業績回復を加速させるためには、ブッフェを再開するのが早道と考えて冒頭の質問をしたのです。
しかし、その経営者の答えは「ブッフェは復活しない」でした。
その理由は、食材廃棄ロスを抑えるのが難しくSDGsの考え方に合わないから、という明快なものでした。
私も運営経験があるのでよく分かるのですが、ブッフェの食材廃棄ロスは難しい問題です。
閉店時間までブッフェ台に美味しそうな料理が溢れるように並んでいなければならないということは、必然的にロスを生みます。
閉店時間前の陳列量の調整や、中皿・小皿の活用、個包装、常温でも傷みにくい食材の活用、別メニューへの食材転用など、廃棄ロスを抑制するための各種対策はあるのですが、お客様の食べ残しだけはどうにもなりません。
よくブッフェレストランでは「食べきれる量だけお取りください」といった虚しい表示を見かけますが、食べ残しをしないという基本的な躾ができていない残念な人が一定割合いるのが日本の現実なのです。
わざと大量に食べ残して食材を無駄にしたり、店側に損害を与えることに快楽を覚えているのではないかというような場面にも遭遇しました。
そういった悲しい場面を作らないためにも、ブッフェはしないというのは、非常に明快な方針だと感じました。
今後はブッフェ以外の方法で飲食部門の業績回復方策を考えることになりますが、会社としての基本方針がハッキリしていることが大切です。
飲食に限らず、温浴施設の運営現場ではブッフェと同じように残念な場面に遭遇することが…
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