飲食は素材勝負

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今日は 2021年8月19日です。

飲食は素材勝負

 前回、箱根の天山湯治郷について触れましたが、その関連で天山ネタをもうひとつ。

長らく天山の設計を担当してこられた建築家の海老沢宏先生とは、何度か一緒に仕事させてもらっているのですが、海老沢先生からは、温浴施設について多くのことを教えていただきました。
http://www.e-koubo.co.jp/index.html

そのひとつが、タイトルにある「飲食は素材勝負」という言葉です。

 温浴施設に来る人が飲食を利用する確率は高く、一般的に飲食部門の売上は入館料と並ぶ重要な収入源となります。

しかし、入館目的はあくまでも入浴がメインですから、飲食はどうしてもついで利用という位置づけであり、街ナカの飲食店のように、「ラーメン」「とんかつ」「イタリアン」といった専門メニューに絞り込んで看板を上げると、ごく一部の人にしか利用してもらえなくなる傾向があります。

結果として温浴施設の飲食は、老若男女ひとり客からグループ客まで誰でも利用しやすいようにメニューのバリエーションを広げ、かつ価格を抑えめにして、多くの人の利用を促す「なんでも食堂」としているパターンが最も多くなっています。

「なんでも食堂」が最も無難で、かつそれなりに成果の上がる戦略であることは間違いないでしょう。

しかし、飲食店としてみると強い魅力があるとは言えず、お客さまも満足してくれているのか、館内で他に選択肢がないから仕方なく食べているのか…単価が上げられないため利益率もいまひとつとなり、「うちは飲食で成功している!」と胸を張れる温浴施設は少数派のようです。

最近はサウナブームに乗って「サ飯」という言葉が生まれ、サウナ後の身体に美味しく感じるメニューを探求する動きも目にしますが、コアなサウナファンは温浴マーケットの一部でしかありませんので、飲食全体をサ飯食堂とするわけにも行きません。

温浴施設内で利用率と満足度を高め、収益性もしっかり確保できるような飲食のあり方については、昔も今も各地で試行錯誤が続けられているのです。

そこで思い出すのが「飲食は素材勝負」という考え方です。

それは料理の技術やメニューの工夫ではなく…

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