日本初!イノベーションサウナが爆誕するまで(9)

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 (外気を給気するためのダクト)

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今日は 2021年8月4日です。

◆日本初!イノベーションサウナが爆誕するまで(9)

 サウナの排気と給気を熱交換しながら強制換気するシステムについて、続きです。

強引に完成期限を決めたことによって、机上の検討段階から、積み残した課題は現場で調整することになり、7月15日、ついに設置工事が完了しました。

試運転の結果、耐熱型送風ファンの最大能力300立方m/hの設定にしても、心配されたダクトの轟音はほとんど気にならないレベルであることが分かりました。スムースな空気の流れに配慮したダクトの取り回しを考えてくれた設計の賜物です。

案ずるより産むが易し。

もうひとつ大きな心配だったのがサウナの温度。せっかく温めた空気をどんどん外気と入れ替えてしまうわけですから、いくら熱交換効率79%とはいえ、本当に温度が保てるのかどうか。

強制換気だけで1時間あたり10回転。利用者が多く、ドアの開閉が頻繁に行われる時はおそらく20回転くらいの換気量になるはずです。3分から6分に1回、部屋の空気が全部入れ替わるということになります。

メトスさんから、ストーブの性能上は余力があるという助言をいただいておりましたが、計算通りに行くのかどうか、実際にやってみるまで確信が持てませんでした。

実験もできないので、ぶっつけ本番でやってみるしかなかったのですが、ファンを最大運転してもサウナ室がしっかり熱くなっていることが分かり、ホッと胸をなでおろしたというのが正直なところです。

換気をできるだけしないことが最も省エネですから、この換気システムは省エネがメインの目的ではないのですが、仮に300立方m/hの強制換気を熱交換した場合と常温換気の場合で比べると、給気温度は外気25度とすると熱交換後は67度となり、42度の温度差が生じます。

複雑な計算になるのですが、熱交換による省エネ効果を計算すると、3,575kcal/h、年間15,487,110kcalの熱量を捨てなくても済むということになります。

これは都市ガス消費量換算で年間1408立米、二酸化炭素排出量換算で年間3,112kgの削減となります。今世間の関心事はコロナ一色ですが、本来サスティナブルも重要なキーワードです。

床の近くにある給気口からは、暖かく感じる新鮮な空気が勢いよく吹き込んできて脚に当たります。これはサウナ室の低い位置の気温よりも外からの給気の温度の方が高いということで、通常の感覚ではありえない、奇妙に感じる現象でした。

試運転の結果、サウナ室としての性能は何ら損なわれていないことが確認できました。むしろ空気の対流が促されることによって、体感的には以前よりも加温や発汗は大幅に改善しています。

私の身体には斑模様(あまみ)が出まくり、良いサウナになったことを示していました。これは想定外のありがたい副産物でした。

残る最大の課題はCO2濃度。

測定実験の結果は、明日以降にまたお伝えします。

(望月)

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