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今日は 2021年8月3日です。
◆日本初!イノベーションサウナが爆誕するまで(8)
決断というのは、それができるかどうかではなく、必ずやり遂げるという確固たる意志です。
誰もやり方が分からないことを実行しようとすれば、すんなりとクリアできるはずはなく、必ず困難が立ちはだかってくるでしょう。それは怖いことです。
しかし、やり遂げる前提であれば、すべてが見通せていなくても見切り発車、できることからひとつひとつ、泥臭い試行錯誤、妥協、挫折と再チャレンジ…そうやって前に進みながら、前例のない困難や不測の事態を乗り越えていくしかないのです。
サウナを強制換気しながら吸排気を熱交換するという命題も、それができるかどうか?という検討段階と、やる決断をした後では進め方がまったく異なります。
二酸化炭素濃度測定実験をしたのが4月21日。次の休館日は7月15日。その日が工事日に決まりました。資材の発注や工事の準備がありますから、2ヶ月くらいの間にすべてを決定しなくてはなりません。
耐熱型ダクトファンの送風能力は、最大300立方m/hの製品を選ぶことになりました。現状はサウナを10名定員で運用していますので、少なくとも1人あたり30立方m/hの強制換気能力を確保したいと考えたのです。
実際の利用者の出入りによる換気も合わせた時、1,000ppmを超えないようにするためには何名までの収容人員が適切なのか、いくら計算しても、実際にはやってみないと分かりません。
轟音問題は、実際に取り付けて音を聞いてみないとどれくらい深刻な問題か分からないので、現場で確認する。もし音が大き過ぎたら風量は段階的に調整できる。
工事費はアクアプランニングさんと特命の工事業者さんで、できる限りコストが抑えられる方法を探る。
これらは決して理想的な解決方法とは言えません。
当初私が想い描いたイメージは、あらゆる温浴施設の現場に適応可能で、強制換気によってCO2濃度1000ppm以下をキープでき、エネルギーロスが少なく、音が静かで、見た目的にも違和感のない熱交換換気システムでした。
ロスナイ(R)のように1台数万円とは言いませんが、業務用としてこなれた費用であれば、全国で多くの温浴施設に導入され、安全安心なサウナの実現に一役買うことができると思います。
しかし、メーカー的なスタンスで理想形を追求すれば、まだまだ開発に時間がかかるでしょう。コロナ禍で苦戦する現場にはそれを待っている時間がありません。
決断力のある経営者がいて、現場対応だからこそ、試行錯誤と調整を繰り返しながらも、なんとか早い段階で実現に漕ぎつけることができるのです。
そして、予定通り7月15日に無事取り付け工事が完了し、公式発表。
コロナ関連とオリンピック関連で報道が埋め尽くされている時期なのであまり目立ちませんが、日経新聞をはじめ、複数のメディアで取り上げられました。(つづく)
https://www.excite.co.jp/news/article/Atpress_268497/
(望月)