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今日は 2021年7月29日です。
しばらくサウナの熱交換換気シリーズが続いたので、今回は小休止です。
◆小規模温浴施設開業を目指すなら
最近頓に増えているのが、小規模サウナ施設を新規開業したいというご相談です。
昔から「不況期創業の企業は強い」と言いますが、コロナ禍による社会活動の落ち込みに対して何かしなければという気持ち、都市部ではオフィスや店舗の撤退による空き物件の増加、そこに昨今のサウナブームと、アウトドアサウナや個室型など小規模サウナ施設の台頭といった要素が合わさって、「何億円もかかる温浴施設は無理でも、小規模サウナなら開業できるかも」と考える人が増えていると考えられます。
そうは言っても、どんな物件が良いのか、開業にいくらくらいかかるのか、どのくらいの売上が見込めるのか…小規模サウナビジネスに関する情報はまだ多くありません。
コロナ禍ということもあり、ご相談をいただいた時は、「まずは現状をおうかがいしましょう。お試しで初回オンライン無料相談を承ります」と対応するのですが、実際にオンライン面談をしてみると、中には私がびっくりするくらいサウナのことを勉強していて、さらによく考えられた斬新なアイデアを持っている人がいます。
そういう人たちが、これからの温浴業界を大きく進化させていくのではないかと期待させられますし、心から応援したい気持ちになります。
しかし一方で、何の勉強もせず、唐突に「サウナやろうと思うんだけど、いくらかかるんだ?」というような雑な質問をしてくる人たちがいます。
以前は丁寧に答えていたのですが、そういう人たちは自分が聞きたいことだけ聞いてそれで終わりになってしまうケースが多く、徒労に終わることがほとんどです。
小規模であっても、温浴施設開業を目指すなら最低限知っておいて欲しいことがあります。
まず、候補物件がある程度絞られていることが大前提です。自分がやりたいサウナ施設のイメージを実現するためには、どんな立地条件で何坪くらいの規模が必要なのか。それができそうな物件を具体的に見つけないと、構想だけでは話は前に進みません。
そして資金調達の目途。物件の規模に対して普通に温浴施設のイメージを当てはめていくと、工事費の坪単価は今どき200万円/坪以上になってしまっても不思議ではありません。物件取得費に加え、50坪でも×200万円で工事費1億円ということになります。初期投資をもっと抑えたいと思うなら、それだけの知恵と工夫と冒険が必要となります。
施設規模と資金調達と工事費。このせめぎ合いを経て、候補物件が絞られていくのです。
次に関連法規。特に公衆浴場法と消防法です。温浴施設開業にあたってはこの2つは必ずクリアしなければならないのですが、物件によってはどうしても適合しないことがあります。
不動産契約を済ませた後に法的に無理で断念ということになるとダメージが大きいので、必ずラフプランの段階で事前協議してアタリをつけておく必要があるのです。
もうひとつ、不動産契約の前に確認しなければならないのは、イメージしているような工事ができるのかということです。温浴施設特有の防火や防水、断熱、荷重、電気容量、資材搬入などの問題で、想い描いているようなプランが困難な場合が多々あります。温浴施設の建築や設備の知識を持った人と相談して、工事の基本的な要件がクリアできることを確認した上でないとラフプランにすら進むことはできません。
それからもうひとつ、基本的かつ重要なことがあります。
メルマガ第678号「風向きと温浴ビジネス」(2018年5月19日執筆)でお伝えしたように…
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