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今日は 2021年7月24日です。
◆日本初!イノベーションサウナが爆誕するまで
長い温浴コンサルタント人生の中でも、特に大変だったのが、2005年にリブランドオープンした有馬温泉太閤の湯のプロジェクトです。
旧有馬ヘルスセンターという古めかしい業態、老朽化した大規模施設、観光立地と三拍子揃った超高難易度案件であり、経営母体が阪急阪神グループという大企業のため、社内で話を通していくプロセスに手間も時間もかかり、緊張も大きく、当時は本当に寿命が縮まる思いでした。
有馬温泉は観光立地のため、言うまでもなくコロナ禍の影響は甚大です。太閤の湯もコロナ前までは業績順調だったのですが、今はまだ厳しい逆風が続いています。
昨年の7月に入谷社長から相談されたのは、サウナのことでした。
コロナ禍で業績低迷が長引く中、何か手を打つとしたら伸びているマーケットに向かうべしというのが経営の鉄則。
サウナブームの追い風を有馬にも呼び込めないかというお考えでした。
日本三大名泉と名高い温泉のイメージに隠れて目立ちませんでしたが、太閤の湯のサウナ室も水風呂も元々それなりのクオリティを保っています。
まずはサウナのコロナ対策強化ということで、
・室内温度を通常よりも高い95度に設定変更
・自動ロウリュ時の注水に抗菌抗ウイルス効果があるとされるアロマ(ティーツリー)を使用
・室内装に抗ウイルス効果がある空気触媒処理(セルフィール)の施工
・サウナ室の定員を従来の半数に設定し、密集を回避
・サウナ室前にマスクがわりに使えるミニタオルを設置
といった取り組みをされていて、一般的な温浴施設よりもしっかりとした対策をしている印象ですが、サウナで注目されていない有馬温泉においてはまだ十分ではないとのこと。
ご相談の内容は、サウナ室の換気についてでした。
「サウナ室の換気強化なら、給排気口にファンを取り付けて換気能力を上げている事例はありますよ。」とお伝えしたのですが、そんな答えに納得する入谷社長ではありません。
ファンを取り付けたら換気量はどれくらいになるのか?、サウナ室の温度低下やエネルギーコストはどうなるのか?と矢継ぎ早に突っ込まれ、「調べますから、ちょっとお待ちください」ということになりました。
まずはルールの確認。
サウナ室の換気については、公衆浴場法や消防法で規定がありますが、換気口取り付けや構造について書かれているのみで、換気能力については具体的な記載がありません。
情報が見つからないので、自分で計算してみることにしました。(つづく)