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今日は 2021年6月28日です。
◆帽子をかぶった渡り鳥
先日横浜天然温泉満天の湯にお邪魔した時に、バックヤードで面白いものを見つけました。
それは「従業員貸出用サウナハット」。様々なデザインのサウナハットが手作りの帽子掛けに6つほどぶら下がっていました。
私がそれに関心を持っているのを見て、久下沼常務が解説してくれたのですが、スタッフのみなさんにサウナーの気持ちを理解してもらうための取り組みだそうです。
実際にサウナハットを被ることで、頭部ばかりが過熱することや、髪の毛が傷むのを防いでくれる効果を体感することができます。
スタッフはサウナハットを被る意味を自分の身体で理解し、自分の言葉でお客さまに説明できるようになるということです。
サウナハットを被った人が何人もいるのを見れば、お客様が「あれは何?」と興味を持つきっかけになり、知っていても被っている人が少ないからと恥ずかしがっていたお客様にも良い後押しになるでしょう。売店で販売しているオリジナルサウナハットの販売促進にもなります。
お客様を啓蒙しようと思うなら、まず自分たちから。当たり前のことのようですが、実際に「従業員貸出用サウナハット」を実践している現場を見たのは満天の湯が初めてでした。
かつて、平塚グリーンサウナ太古の湯(2020年閉店)の加川社長が、毎週末のテントサウナイベントをしながら、「サウナ好きの方々が遠くから来てくれて、SNSで紹介もしてくれるのはありがたい。しかし、遠くから来る人たちは渡り鳥のようなもので、定着してくれるわけではないから…」と言っていたのを思い出します。
テントサウナ目指して遠くから来るサウナーは渡り鳥、と言いながら何故加川社長は2年間も自らストーブに薪をくべ、テントサウナイベントを続けたのでしょう。
その最大の理由は地元リピーターへの啓蒙効果だったのだろうと思います。サウナハットを被り、テントサウナ→水風呂→外気浴を黙々と繰り返す人たちの行動を見せることで、地元のリピーターがサウナに関心を持ち目覚めていく。その効果を期待していたのでしょう。
さらにSNS投稿による持続的な口コミ宣伝効果があり、ついにはTVドラマ撮影の舞台にもなってしまったのですから、たとえ定着しない渡り鳥でも十分な成果があったわけです。
盛り上がるサウナマーケットを自店にも取り込んでいきたいと考えている施設にとって、サウナイベントやサウナハット、サ飯、オロポなどの導入は、「一過性の渡り鳥を相手にしても…」という迷いが生じることがあるでしょう。
しかし、そうではないのです…
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