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今日は 2021年6月24日です。
◆その投資は何のため
昨日、あるプロジェクトでご一緒している温浴業界の面々と、「3年後のサウナ」について議論になりました。
温浴施設の設計会社、メーカー、運営受託会社、コンサルタントといった顔ぶれですから、まさにこれからの案件に深く携わっているメンバーです。
なぜそのような話になったのかというと、この数年の間にあまりにも目まぐるしくサウナを取り巻く環境が変わっており、この調子で進むとさらに3年後はどうなっているのだろう、という発言からなのですが、これは非常に考えさせられます。
アウフギーサー、ウィスキング、サウナハット、オロポ…。いずれも3年前はまだほとんど知られていなかった言葉ですが、あれよあれよという間にサウナ愛好家の間で知られるようになっていきました。
メディアにサウナが取り上げられることが増え、世間の関心度が高まり、新たにサウナを利用するようになった人も増えているのは実感として間違いないところです。
その変化ぶりとスピードがあまりにも激しいため、3年後の2024年が想像もつかない、ということなのです。
またコロナ禍からはじまった「密から疎へ」「インドアからアウトドアへ」「大空間から個別空間へ」「人と人の接触を避ける」といった流れが、今後終息していくのか定着するのか、さらに拡大するのかも、まだ予想がつきません。
しかし、あらゆるライフサイクルは導入→成長→成熟→安定(衰退)というプロセスを辿りますので、今は過熱気味のサウナブームも、いずれ落ち着きを見せてくることは間違いないでしょう。
大切なのは、ブームに踊らされて無駄な投資や過剰投資をやり過ぎないことだと思います。
先日のメルマガ第1571号「飽きられない価値」(2021年6月15日執筆)に書きましたが、
──20年以上前は一度に複数のお風呂に入れることが楽しみのひとつでした。
天然温泉と入浴剤、温度の違い、デザイン、各種ジェット、内風呂と露天の組み合わせなどで、10種類を超える浴槽バリエーションを持っている施設もよくあります。
いまは浴槽の数が多過ぎると気になります。それぞれの浴槽がろ過機やポンプなどの配管系統を持っているわけですから、コストもメンテナンスも負担が大きくなります。調査するのが大変だから余計にそう感じるのかも知れませんが、いくつもの浴槽に入るのは疲れます。
最近の温浴施設の設計では、むやみに浴槽バリエーションを増やそうとはしなくなりました。昔よりも建築コストがあがり、そんな贅沢はできないということもありますが、見かけの種類を増やすよりもクオリティを重視するようになってきています。
もちろん利用するお客さまによって好みの違いがありますから、ある程度のバリエーションは必要ですが、競合店と浴槽の種類を張り合うような考え方はライフサイクル導入期の差別化手法で、それだけではいずれ飽きられてしまうと言えそうです。──
これと同じような変化は必ずやってきます。
一番化競争は導入期の差別化手法であり、一番の要素で目立つことは販売促進の一環ととらえるべきでしょう。販売促進であれば…
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