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今日は 2021年6月23日です。
◆不屈の温浴施設
昔から、非常時にこそ物事の本質が分かる、と思っています。
よくあるのが人間関係の話ですが、好調時にはもて囃されても、ひとたび不調となれば潮が引くように去っていくような人間関係にはたいした価値がないということです。
また普段は良い人のようでも、余裕がなくなると人間性が豹変してしまう人もいます。
どんなに困窮しても、逆風にさらされても、変わらないことに本質があり、その本質がダメだったら、いくら調子よくキレイに着飾ってもいずれボロが出るということです。
では温浴施設の本質とは何なのか。そのことを考えさせられたのが、岩手県大槌町のますと乃湯再建プロジェクトでした。
ますと乃湯は2007年にオープンしたスーパー銭湯ですが、2011年の東日本大震災で被災し、津波で壊滅的なダメージを受けました。
大槌湾と町を津波が襲う映像は当時TVで繰り返し流れましたので大槌という地名を記憶している方もいらっしゃるかと思います。
全壊した建物は撤去され、残ったのは多額の借入金。普通なら事業清算して終わりにするしかないところでしょう。
しかし、ますと乃湯はそこで終わりませんでした。再建して欲しいという住民の声に押され、ひとつひとつ困難を乗り越え、震災から10年の時を経てついに復活の日を迎えたのです。
例え建物が失くなっても、10年という年月が過ぎても、本質は失われていなかったということです。
https://kahoku.news/articles/20210622khn000029.html
よく温浴施設は装置産業という言い方をされますが、装置産業だとしたら、建物や設備が失われた時点で終わりのはず。装置は本質ではでなく、別の何かが残っていたから復活できたのです。
言葉にするのは難しいのですが、温浴施設の本質とは、地域の憩いの場、健康増進の場、心身のリフレッシュの場、日常レジャー…まとめて言えば生活インフラとして貢献し、地域に愛され続ける存在となることなのでしょう。
その本質的な関係性は、不要不急などではなく、津波でも断ち切ることはできないほどに強いということなのです。
今回の再建プロジェクトでは…
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