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今日は 2021年6月15日です。
◆飽きられない価値
昨日から、北関東で複数の温浴施設を調査しています。
今回は「スペック調査」といって、温浴施設の大浴場からドライゾーンまで、あらゆる箇所の規模やバリエーションなどのスペックを細かく調べ上げるもので、数ある調査手法の中でもキツい仕事です。
入浴が楽しくないので、あまりたくさんやっていると温浴施設が嫌いになってしまうかも知れません。
調査対象となった施設のうち何件かは築20年以上経過しているのですが、ファッションと同じで時代と共に業界のトレンドがあり、そのつくりは今とはずいぶん違っています。
20年以上前は一度に複数のお風呂に入れることが楽しみのひとつでした。
天然温泉と入浴剤、温度の違い、デザイン、各種ジェット、内風呂と露天の組み合わせなどで、10種類を超える浴槽バリエーションを持っている施設もよくあります。
いまは浴槽の数が多過ぎると気になります。それぞれの浴槽がろ過機やポンプなどの配管系統を持っているわけですから、コストもメンテナンスも負担が大きくなります。調査するのが大変だから余計にそう感じるのかも知れませんが、いくつもの浴槽に入るのは疲れます。
最近の温浴施設の設計では、むやみに浴槽バリエーションを増やそうとはしなくなりました。昔よりも建築コストがあがり、そんな贅沢はできないということもありますが、見かけの種類を増やすよりもクオリティを重視するようになってきています。
もちろん利用するお客さまによって好みの違いがありますから、ある程度のバリエーションは必要ですが、競合店と浴槽の種類を張り合うような考え方はライフサイクル導入期の差別化手法で、それだけではいずれ飽きられてしまうと言えそうです。
販売促進的な意味合いでは、時代の要請に応えることも考えなければなりませんが、本質的な価値をしっかり確立することの方が重要なのです。
いま、サウナは導入期です。ヨーロッパのサウナに比べれば、今日本で普及しているサウナのデザイン、技術、そしてバリエーションはまだまだ赤ん坊のようなものですから、これからどんどん新しいサウナが登場してくるでしょう。
それは販売促進や差別化手法なのか、それとも長く支持される本質的な価値なのか。その区別…
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