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今日は 2021年6月14日です。
◆商圏はいずれ縮小する
前職で、まだ私が温浴コンサルティングの世界に入る前は流通業界全体について勉強していました。
その時覚えた知識のひとつに、「CVS(コンビニエンスストア)の必要商圏人口は5,000人」というルールがありました。
当時のコンビニの店舗数は全国でまだ2.5万件くらいでしたので、総人口を2.5万件で割るとちょうど5,000人くらいになります。当時すでにコンビニは全国津々浦々に出店が行き渡っていると思っていたのですが、そこから30年で店舗数は2倍以上に増えました。
いまネットで「コンビニ 商圏人口」と検索すると、3,000人という数字が出てきます。
当時よりも、少ない商圏人口でも成立できるように、コンビニエンスストアは進化したのです。
もしコンビニが昔と同じ品揃えとサービスで商売を続けていたら、2.5万件よりも増えることはできなかった筈。
これは[売上高 = 商圏人口 × マーケットサイズ × シェア]という計算式で考えると、商圏人口が減少した分マーケットサイズを増やす、つまり品揃えやサービスの拡充でカバーしたということです。
競争力強化(シェアUP)のために大型化競争、スペック競争に向かってしまった温浴業界に比べると、実にスマートな進化だと思います。
さて、温浴業界の話ですが、これからおそらく小規模サウナ施設が急増することになると思います。
今は個室や貸切、セルフロウリュ、アウトドア、水着混浴といった要素がまだ珍しいので、遠方からも集客することができています。
例えば先日メルマガ第1532号「産湯は湯らっくす」(2021年4月26日執筆)で、Sea Sauna Shack(シーサウナシャック)に行ってきたことを書きましたが、千葉県館山市は私の自宅から高速道路を使っても車で2時間以上かかります。
いくら気に入ったとしても、繰り返し利用できる距離ではないのです。
珍しい施設だから、日本初だから、といったことで集客できるのは、まだ小規模サウナブームが始まったばかりだからであり、いずれは珍しい存在ではなくなってくるのは確実です。
つまり、今は1時間も2時間もかけていろいろな人が来ていても、いずれは通常の商圏範囲の中のリピーターだけになっていくのです。(観光立地や宿泊施設との複合の場合は別です)
新業態とはいえ、足元の商圏ボリュームをよく確かめて、過剰に規模を拡大しないことが大切だと思います。
かつて、スーパー銭湯というビジネスモデルは…
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