小規模サウナ施設開業を目指すなら

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今日は 2021年6月8日です。

小規模サウナ施設開業を目指すなら
 まだ定量的なデータを示すことはできませんが、昨年から、温浴マーケットの明らかなトレンドになっているのが小規模サウナ施設の新規開発案件の急増です。

既にオープンした施設や、現在開業に向けて準備中であることを公言しているところ、そしてまだ表面化してはいませんが密かに小規模サウナ施設の新規開業を検討・準備している企業や個人がかなり多くあります。

サウナブームの追い風が吹くタイミングに、アフターコロナを見据えて既成概念を超えた取り組みを模索したいという危機感が重なっているのだと思いますが、弊社にも頻繁にお問い合わせが入ってきます。

しかし、水面下の案件が順調に開業に向けて進んでいくのかというと、必ずしもそうではないようです。

「天時不如地利,地利不如人和」(孟子)とはよく言ったもので、物事を進めるには天の時と地の利と人の和という3つの要素が揃っている必要があり、いくらアイデアだけ練っていても前に進むことはできないのです。

天の時(タイミング)には、時流適応という意味合いがあります。サウナブームやコロナ禍を考えて、いま新たなサウナ施設開発に挑戦したいと考えるのはまさに時機を得た着眼点でしょう。

もうひとつのタイミングは、資金面です。サウナ施設を開発するには少なくとも数千万円。少し規模が大きくなってくると億単位の投資になります。その資金調達が可能なのか、投資した後の自社の財務的余力はどうなのか。

やりたいことを実行していくために必要な資金が充分に揃わなくて、すべての判断が資金繰りの観点のみから行われてしまうとしたら、おそらくその事業は良いものにはならないでしょう。必要と思われる総投資額に、余裕を見てさらに1割くらい上乗せした資金調達が問題なくできるどうか、だと思います。

そして地の利(立地)。物件ありきで事業開発が始まる場合と、事業構想が先にあって、適合する物件を探す場合がありますが、いずれにしても実際に出店する場所が決まらない限り事業計画は具体化しません。

まずはその物件で温浴施設開発が可能なのか。用途地域、建築基準法、消防法、公衆浴場法、給排水条件などの基本的な与件の確認が必要です。

そしてその立地条件には、果たして小規模サウナ施設を成立させ得るポテンシャルがあるのか。ここが大きな悩みどころになると思います。

弊社では、以前から温浴施設開発を進める際には、精度の高いマーケティング(売上と客数の予測)が極めて重要な出発点であるということを常々申し上げております。何億円も投資する事業の出発点がデタラメというのは常識的にはあり得ないことだと思うのですが、実際にそうやって闇雲に進めてしまうケースも少なくなく、後で大変なことになるのです。

そうならないよう、これまで弊社では数多くの温浴施設で立地条件や市場環境を検証し、売上予測手法の精度を高めてきました。

ところが、新業態である小規模サウナ施設に関しては残念ながら検証できる事例が少なく、精度の高い売上予測はまだできないのです。

商圏人口や前面通行量、駅乗降客数、観光入込客数といった定量的なマーケットデータをいくら並べても、そこからどうやって売上が形成されるのかというルール化ができていないので、予測は困難です。

根拠の感じられる売上予測を示せないと、金融機関の融資はなかなかOKが出ません。絵に描いた餅と言われてしまうかも知れません。ここをどう突破すれば良いのでしょう。

その方法は、逆からのアプローチだと考えています。逆というのは、マーケティングから売上を予測するのではなく、投資額から逆算して必要売上高を導き出すということです。

弊社でいろいろなパターンの温浴施設の事業収支を検証した結果、初期投資(不動産コストや温泉掘削費を除く)に対して初年度売上が40%くらいあると、概ね10年以内の投資回収が可能であるということが分かっています。

不動産が自社物件なのか、購入するのか、賃借するのかにもよりますが、超ざっくり言えば総事業費の半分以上の初年度売上を目指すことが、投資回収可能となる事業の目安と言えるでしょう。

例えば初期投資5000万円なら初年度売上2500万円以上。平均日商にして7万円くらい必要ということになります。客単価2000円と設定すれば1日平均35人の集客目標となります。この数字に現実感があるかどうか、というアプローチであれば、それなりに信憑性のある事業計画となるでしょう。

また施設計画は、この客単価や客数計画と整合性がとれたグレード感、キャパシティとなっていなければなりません。

最後は最も大切な人の和です。開業に向けて、設計・許認可・設備・施工・商品計画・広告宣伝…開業準備を進める上で足りない要素は何か。運営現場を背負って立つ人は誰なのか。

テントサウナイベントくらいなら自分の力でもできるかも知れませんが、たとえ小規模サウナであっても、常設の温浴施設をすべて自分ひとりの力で立ち上げるのは難しいと思います。仲間や協力者が必要なのです。

このように、小規模サウナ施設開業を目指すには、天地人すべてを揃えていく必要があります。要所要所で足りない点はアドバイス・サポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

かつての岩盤浴ブームの時には…

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