ととのいの先がある

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今日は 2021年5月20日です。

ととのいの先がある
 「心に残る人がいる」──このメルマガでも何度かご紹介している、20年前に作られたニュージャパンサウナなんば店のクレドの冒頭に書かれている言葉です。

これは「ブランドの約束」と言われるもので、ニュージャパンサウナは何を提供しようとしているのかという、凝縮されたメッセージです。

たった一言なのですが、会議に出席する経営陣や幹部全員が腑に落ちるこの言葉を生み出すために、何ヶ月もかけて議論を重ねたことを覚えています。

立派な設備でも上等なサービスでもなく、接遇する魅力的なスタッフの存在こそが自分たちの商品であり、ニュージャパンブランドそのものであるという信条だったのです。

当時の温浴業界の関心事といえば浴槽やジェットのバリエーションとかですから、あまりにも次元の違う議論に若輩の私は固唾をのみ、ただただ圧倒されていたのを思い出します。

カードサイズで4つ折りのクレドは、冒頭のブランドの約束に続いて、いろいろな角度からそれを咀嚼して伝えようとしています。
https://newjapan.aqutpas.co.jp/page-274/

癒しとは
人の心と身体の疲れを基本レベルに戻す働きのこと。慰めであり、慈しみです。癒しを実現するために、五感に優しい環境づくりと慈しみを大切にします。

潤いとは
人の心に火を灯すこと。基本の心のレベルをさらにポジティブな心の状態(明・善・愛・信・健・美・与)にする働きのこと。それは楽しさであったり、美しさであったり、愛する心の表現であったり、それは人を惹きつける「魅力」そのものです。

ここに出てくる「潤い」という言葉。このクレドの中で、「癒し」と並んで4回も登場するキーワードです。

当時これについてどのような議論をしていたかというと、疲れ、痛み、倦怠感、自律神経失調、不眠、不機嫌…といった不健康な状態から、その人本来の正常な状態に戻すプロセスを「癒し」と呼んでいました。

クレドをつくった2000年頃は、やたらと「癒し」「ヒーリング」といった言葉が流行っていました

最近よく言われる「ととのう」(整う・調う)とは、ストレスや緊張感から解放され、その人の正常な状態に戻ったことを指していると思われます。それは癒しの結果と言えます。

潤いとは、そこからもっと良い状態に向かうことです。

お肌で言えばカサカサの状態から水分量が増えしっとりぷるぷる、表面はすべすべつやつや。身体で言えば、全身が軽くなって冷えもなく、どこにも不調箇所がなくて元気なエネルギーに満ち溢れている状態。心で言えばすべてが楽しく、多幸感に満たされた状態。

温浴施設には、そのチカラがあると思いませんか?

このことをマーケティング的に言うと、これまでの温浴ビジネスは主に癒されることへの対価として1兆円の消費支出が成り立っていたということで、国民の2~3割と言われる温浴施設リピーターをどうしたらもっと増やせるのかということが市場拡大の論点でした。

しかし、ととのいの先があるとしたら、既存の市場が120%に伸びるといったことではなく、まったく別のマーケットがあるということです。

以前メルマガ第916号「SPA GRANDEの挑戦」(2019年3月11日)に書いたのですが…

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