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今日は 2021年5月19日です。
◆浴室清掃マネジメント
昨日は横浜天然温泉満天の湯の休館日だったのですが、現場にお邪魔して浴室清掃のお手伝いをしてきました。
目的は清掃ノウハウの研究です。
普段から満天の湯を利用していて、その清掃レベルの高さにはいつも感心しているのですが、そうはいっても2005年オープン、築16年ですからそれなりに年季は入っています。
浴室床の石などに付着する白い汚れが以前からちょっと気になっていたので、あれを落とす方法をいろいろと試してみたいと思ったのです。
浴室の白い汚れの主成分は炭酸カルシウムと言われ、基本的には酸性の薬剤で清掃します。家庭の浴室ならクエン酸を使うのが一般的です。
しかし温浴施設が使う井戸水の水質によっては、頑固な汚れが大量に固着しており、クエン酸とスポンジやタワシ程度では歯が立ちません。
また強力な酸性の薬剤を使うと、下地や周りの素材も侵されてしまうことがありますので厄介なのです。
まずとりかかったのが洗い場近くの床。黒くざらついた質感の石材の上に白い汚れが蓄積して以前から目立っていました。
特に白い箇所があったのですが、聞くと床材の下にお湯の配管が通っており、温度ですぐ乾いてしまうため、そこだけ炭酸カルシウムの固着が進んでしまうそうです。
薬剤をつけると反応して泡が立つのですが、汚れの層が分厚過ぎて、到底落とせそうにありません。
下地は石の床材ですので、少々荒っぽい方法で削っても傷めることはないだろうと考え、金属ブラシで強く擦ってみました。すると少しずつ汚れが落ちて、やがて黒い下地が出てくることが分かりました。
ただ、面積が広すぎて、ひとりの手作業ではどうにもなりません。ここが温浴施設清掃の難しいところで、規模に対応できる方法でないとやりきれないのです。
そこで、電動工具を使い金属の回転ブラシで削ってみました。この方法はスピードが上がり、なんとか一番の問題個所だけはそれなりにキレイにすることができましたが、最終的には浴室床全体を処理しなければならないと思うと気が遠くなります。
また、ブラシから抜けて飛散したワイヤーが自分の足裏に刺さりました。入浴中のお客様に刺さったら大変ですので、作業後はしっかり高圧洗浄で流しておくことが必要です。
落とせない汚れではないのですが、いろいろ課題が残りました。
次に細かいところ。
下地が石の時は荒っぽいアタックができますが、金属だと酸性薬剤で腐食してしまいますし、プラスティックは柔らかいので、物理的に削るのは難しいのです。
平滑面ならスクレーパーを使ってそっと削ることができます。ナイロンたわしやクレンザーでも少しずつなら落とすことができます。
そうやって場所によって方法を変えながら、根気よく落としていくのです。
広い大浴場全体を一気に処理することなどできませんので、その時やる場所を決めて、ローテーションで気長にやっていくしかありません。
そんなことで、久々の肉体労働で清々しい気分でした。機会を提供してくれた満天の湯の久下沼さんにはあらためて感謝です。
今回感じたことをまとめると…
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