セオリーのリセット(2)

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今日は 2021年5月15日です。

セオリーのリセット(2)
 いつまでネタが続くのかと不安を抱えながらも、日刊を宣言して書きはじめてしまったこのメルマガ、いつの間にか5年半も経ち、バックナンバーは1500号を超えました。

当初は理解していなかったのですが、書き続けてきたことで分かったことがひとつあります。

それは、温浴施設経営に関して考えるべきことは無限にあったということです。

持ちネタのネタばらしというか、当初から持っていた理論やノウハウの解説は、メルマガを書き始めてからたぶん2年もたずに底をついたと思います。

それでも書き続けられるのは、答えがひとつではなかったということなのです。

温浴施設が繁盛して良い経営状態になっていくまでのプロセスは複雑で、同じ手法がどこでも通用するわけではありません。

自社を取り巻く経営環境、自社の持つ経営資源を踏まえて、チャンスを活かし、強みを伸ばす。脅威を避け、弱みをカバーする。いわゆるSWOT分析と呼ばれる有名なフレームワーク(思考の型)がありますが、その強味・弱み・機会・脅威に挙げられる要素は企業によって千差万別です。

判断材料が異なるのに、答えが同じであるはずがないのです。

分かりやすい例として、しばしばメルマガで取り上げる源泉について考えてみると、日本には27,696箇所(令和元年)の源泉数があると先日書いたばかりですが、その泉質×温度×湧出量×排水環境の組み合わせはそれぞれ異なっており、同じ天然温泉はないのです。

アルカリ性が強ければ塩素は効かないのです。湯量が少なかったり温度が低ければ大型浴槽に源泉かけ流しはできないのです。それを一律同じ設備設計にして同じ扱いができるはずがありません。

どこかの浴室が良かったとか、どこかの施設が繁盛しているからと言って、その形を模倣すれば良い結果が得られるかというとそれは大間違いです。

人工炭酸泉が人気だとか、ハンモックが流行っているからとすぐに飛びつくのは、バカのひとつ覚えと言います。自店にそれが合っているのかを総合的に慎重に見極めた上で、導入を判断しなければなりません。

「セオリーのリセット」というのは、言い換えると「バカのひとつ覚えをやめる」ということかも知れません。

目指すべき理想の形は、見習って模倣すべきものがどこかにあるのではなく、自分の中にしかないのです。自社を取り巻く経営環境、自社の持つ経営資源を踏まえ、無限の可能性の中から最適解を見出すしかないのです。

すべての温浴施設がそれぞれの最適解を見出して、最高のパフォーマンスを発揮できるようになれば、一件一件の施設すべてが理想の施設になれるということです。

そして…

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