水かけ禁止問題

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今日は 2021年4月27日です。

水かけ禁止問題
 昔から、「サウナストーブへの水かけは故障の原因となるので禁止」という表示をよく見かけます。

石積みのある電気ストーブであっても、ロウリュ用でないストーブの場合は、機械部分やエレメントと呼ばれる電熱線が水に濡れると漏電の原因となり、ブレーカーが落ちたり故障してしまうのです。

そうなるとサウナ室そのものが使用不能となり、営業に支障が出ます。修理に何日もかかることもあります。

お客さまから「せっかく来たのにサウナに入れないなら入浴料を返せ。交通費も負担しろ」などと言われ、クレーム処理に手こずるかも知れません。

そのようなリスクを防ぐために、水かけ禁止の貼り紙をすることになるのです。施設のTwitterアカウントで「もう水かけはやめてください!」という悲痛な叫びを見ることもあります。

貼り紙だけでなく、ストーブガードを天井まで囲うようにして水をかけられない構造にしたり、水かけがOKなストーブであると思われないように、せっかくはじめたロウリュサービスを廃止してしまうこともあります。

しかし、それは施設の魅力低下、サービスの後退であり、ようやく盛り上がってきたサウナ人気に乗ることを放棄してしまうことになります。

 そもそもどうしてお客様はストーブに水をかけるのでしょうか。

第一の理由は「もっと熱さを楽しみたい」からです。ロウリュによる体感温度の変化を知ってしまえば、その快適な熱さを求めて水をかけたくなる気持ちはよく分かります。

水かけ問題が頻発するのは、お客さまからの「もっと熱くしてくれ」というメッセージと受け止めるべきではないでしょうか。

そうであれば、もっと温度設定を上げるべきでしょう。入った瞬間からアチアチのサウナ室だったら、とても水をかけようという気持ちにはなりません。ロウリュをやる時はドア開けで十分換気した後のみ、ということになります。(※ドイツのサウナでは必ずアウフグースの前にドアを開け温度調整をやります。)

第二の理由は「自分もロウリュをやってみたい」からです。理科の実験が大好きな少年のような気持ちであり、そこに罪はありません。

これに対しては、セルフロウリュ化することが最もストレートな解決方法ですが、要領の分かっていない人がロウリュをやると、水をかけ過ぎて他のお客さまの望まない温度になってしまったり、蒸気で火傷する危険もあります。

セルフロウリュによる水のかけ過ぎを防ぐには、
・水かけ頻度を15分に1回までなどと定め、砂時計設置
・ラドル(柄杓)の容量を小さくする
・バケット(桶)を床に固定し、水を少なめに補給
といった物理的な対策があります。

そしてストーブから一気に立ち上る蒸気による火傷を防ぐには、柄の長いラドルを使用する。

これらによって物理的に問題を起きにくくすることができます。

さらに言えば、セルフロウリュして良い人はスタッフのみならずお客さまも水かけ方法のレクチャーを受けて認定された「ロウリュマイスター」のみとし、シリコンのカラーリストバンド等でその証を発行するという方法も考えられます。

無資格者がセルフロウリュをすることは許されないというルールにしてしまうのです。施設全体のサウナリテラシーを高めることにもつながるでしょう。

サウナストーブの故障リスクについては…

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