古くてダサくても

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今日は 2021年4月19日です。

古くてダサくても
 かつて温浴施設の建築コストは、新築工事で坪あたり単価100万円が目安だった時代がありました。当時リニューアル工事は「内装@20万円、設備@50万円、スケルトンからやり直したら@70万円」と言われていました。

言われていましたというか、昔やったセミナーでは、自分自身がそのように解説していた記憶があります。

「内装→設備→スケルトン」というのは費用計算の目安を言っているのと同時に、リニューアルの手順を示していました。

コストを抑えながら、効果的なリニューアルで経営状態を改善したいと思ったら、まずは見た目から変えましょう、ということです。

そうやって目先を変えるプチリニューアルは、それなりに成果をあげたものでした。逆にお客様から直接見えない設備にコストをかけても費用対効果的には苦しいので、耐用年数の限界で仕方なく設備を更新するというのが普通の判断基準だったと思います。

ところで、いま人気を集めている施設のことを思い浮かべてみると、見た目はあまり関係ないのでは?という疑問が湧いてきます。

古くてダサいという話で実名を挙げるのは失礼なので具体的な施設名は避けますが、各地にある人気施設を思い浮かべてみると、あまりデザイン性で評価されている様子はありません。

サウナの温まり方であったり、水風呂の水質や温度であったり、そういったサウナ環境のクオリティそのものが評価されているのであって、デザイン性はほとんど関係ないのです。

これはサウナに限った話ではなく、温泉も同じで、ヘビーユーザーが好むのは泉質が良くて湯づかいが最適な施設です。古びた共同浴場でも山奥の小屋でも一向に構わないのです。

むしろデザイン性を排除した本質的な価値だけが評価されるようになってきています。

しかし、この現象は、消費体験の蓄積によってユーザー全体の目が肥えてきたと解釈するには変化があまりにも急すぎると感じています。

実際の自分の体験から得た評価ではなく、ヘビーユーザーの言っていることを参考にしながら、いち早く核心に迫ろうとする人が増えているように思います。これも情報化時代のひとつの流れなのでしょうか。

消費者心理の分析はともかくとして、現実問題として、いまのユーザーが求めているのは美しいデザイン性やお洒落さよりも、本格的な、あるいは強烈な温浴体験。

そうであれば…

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