温浴業は倉庫業

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今日は 2021年4月6日です。

温浴業は倉庫業
 以前から、「温浴施設の支配人はいつまでも現場に張り付いていてはいけない。外にも重要な仕事がある。」ということを書いています。

自分自身がいったん入った現場からずっと離れられなくなり、泊まり込みを連発した経験から申し上げているのですが、施設トップには、職場の外にこそ重要な仕事があります。

それは、セミナーや展示会での新たな情報収集、温浴施設同士の情報交換、人脈づくり、競合店やモデル店の視察、そして営業など多岐に渡りますが、これらの行動が施設の将来を大きく左右する可能性を持っているのです。

単に施設をしっかり運営しているだけでは発展性がありませんし、時流変化についていくことも難しい。

支配人が何でもできるマルチタスクのスーパーオペレーターになるというのは、まだ第一段階に過ぎないのです。

副支配人や部門長などの後任を教育し、その人たちがスーパーオペレータ―に育ってくれれば、トップの支配人はようやく現場を離れることができるようになります。これが第二段階で、開業から年数が経って、そのレベルに達している施設はたくさんあります。

しかし、その先の第三段階があります。それは、スーパーオペレータ―不在でも施設運営が健全に回る状態にするということです。

責任者不在で運営するという意味ではありません。事故やトラブル、クレームなど、何かイレギュラーなことがあった時に「自分がこの施設の責任者です」という者がいなくては施設は運営できませんから、常に責任者は必要です。

しかし、それは知識やスキルの問題ではなく意識や立場の問題なのです。

知識やスキルを人に依存せず、仕組みに置き換える。それが第三段階なのですが、その域に到達している施設はまだ極めて少ないと思います。

全国で何百件もの温浴施設の裏方を拝見してきた結果、私が第三段階の国内最高峰にあると確信している施設が横浜天然温泉満天の湯です。

 昨日、滋賀県で温浴施設を経営する人を満天の湯の視察にご案内しました。満天の湯の運営の凄さは重々承知しているつもりだったのですが、機械室で一緒に久下沼常務のお話をうかがっていて、また新たな衝撃を受けました。

それは各浴槽の系統についている循環ポンプの話でした。満天の湯は多彩な浴槽があるスーパー銭湯ですので、たくさんのポンプがズラリと並んでいるのですが、もしポンプが不調になったら、その浴槽は使用できなくなってしまいます。

コンパクトな施設に多くのお客様を迎え入れるスーパー銭湯にとって、使用できない浴槽が発生することは大きなダメージです。

そうならないようにするには、ポンプが故障してはいけないのですが、絶対に故障しない設備などありません。

もし営業中にポンプが故障したら普通どうなるかというと、その浴槽の温度や水質の維持ができなくなりますので、浴槽は使用停止です。現場は慌てて設備業者さんに連絡します。駆け付けた設備業者さんがうまく修理できれば浴槽は復活、運営現場はホッと胸をなでおろすという感じでしょう。

しかし、修理に手こずったり、ポンプを交換せざるを得ないとなると、深夜作業になって工賃が高くなったり、新しいポンプが届くまで浴槽使用停止が長期化する、故障中の札を出し続けていればお客さまの信頼と満足度が低下する…というように経営リスクがどんどん拡大していきます。

そこで、満天の湯がとっている対策は…

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