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今日は 2021年4月5日です。
◆温泉とサウナ
関東地方で温浴施設の新規開発案件のお手伝いをしており、いま市場調査から基本計画まで進んでいる段階です。
ご多聞に漏れず、周辺競合店との差別化や昨今の時流を考えて、サウナを徹底的に強化したプランを検討しているのですが、そのクライアントから、「これだけ力を入れたサウナを作るなら、わざわざ費用をかけて温泉を掘削しなくてもいいのではないか?」という声が上がってきました。
サウナの魅力を強化することは、既存施設との差別化や時流だけでなく、イニシャルコストやランニングコスト面でも理にかなっており、いま温浴事業を成功させるには最も効果的な手法と思われます。
非常に鋭いご指摘だと言えるでしょう。
できるだけ投資額を抑えて短期回収を狙うなら、それが正解であるかも知れません。
しかし、より大きな事業規模を求めていたり、地域における施設の存在意義を考えると、やはり天然温泉の持つ意味は大きいのです。
メルマガ第1311号「15分250円」(2020年7月20日執筆)で、Googleトレンドによれば2020年2月に「テレワーク」という検索キーワードが「サウナ」検索を上回ったということを書きました。
コロナ禍で在宅勤務やオンラインコミュニケーションといったことに世間の関心が一斉に集まった時期でしたから当然のことでした。その後は「テレワーク」検索は落ち着きを見せ、最近は「サウナ」検索と勝ったり負けたりの好勝負を繰り広げています。
では、「サウナ」と「温泉」を比較するとどうでしょうか。
https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=all&geo=JP&q=%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%8A,%E6%B8%A9%E6%B3%89
グラフを見れば一目瞭然ですが、圧倒的に温泉の方が強いキーワードなのです。
温泉は老若男女あらゆる日本人に愛されていることの表れと言えます。
過去のピークで比較すると、2004年8月の「温泉」検索数を100とするとサウナは3。現在は温泉46に対してサウナ4。約30倍あった差を約10倍にまで詰めてはいますが、伸びているとは言え、まだまだサウナは温泉に比べれば小さいマーケットなのです。
ただし、現在の温浴施設集客への貢献という意味では、温泉がサウナの10倍集客しているという実感は私にはありません。
ネット情報や施設側の対応もあって、今はサウナ愛がどんどん顕在化してきているのに対して、温泉愛に応えられる施設は少なく、行き場を失った状態になっているということではないかと思います。
潜在的には温泉マーケットの方がはるかに大きいですし、長期的に見れば温泉は長く日本人に愛され続けてきたことは間違いありません。
もし温泉がサウナ同様に活性化してくれば、両者をあわせた温浴マーケットは飛躍的に成長することになります。
つまり…
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