言い方ひとつで

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今日は 2021年3月22日です。

言い方ひとつで
 政府による緊急事態宣言が、約2カ月半ぶりに全面解除となりました。宣言に実効性がないともいわれていましたが、それでも飲食店に対する時短営業要請などは強制力を伴っていましたので、萎縮していた消費者心理はかなり緩和され、これから人の動きが活発化してくるのではないかと思われます。

ちょうど桜も咲き始めており、駆け込みで間に合った花見や宴会シーズンを楽しむ人も増えるでしょう。

かつて温浴施設で「この週末は花見に集客を持っていかれた」などと話し合っていたのが遠い昔のことのようです。平和でしたね。

しかし宣言解除とは言え、受け止め方は人それぞれ。引き続き不安心理の強い人もいれば、自粛ムードの続く人もいるでしょう。温浴施設でもお客さま同士の衝突が起きないよう、引き続き3密対策やマナー啓蒙を行いながら、営業拡大や付帯部門利用促進を模索していく必要があります。

先週末、横浜市鶴見区にあるおふろの国に行ってきました。

おふろの国と言えば、半径わずか200mの中でタイプの異なる3件の有力温浴施設がしのぎを削るという、全国でも類を見ない競合環境の中で、エンターテイメントという独自路線を打ち出してファンを獲得していることで有名ですが、実は創業21年の実力派施設です。

あまりにも突出したエンターテイメント性が目立つのであまり知られていませんが、その鍛え抜かれた基礎があるからこそ、最新型の巨艦施設にも負けないのです。

そのおふろの国で入浴中に聞いた、館内放送にしびれました。

時間は夜の22時半頃。閉店まであと90分くらいというところです。

24時が閉店時間であることを伝える放送だったのですが、23:45になったら、浴室の清掃作業のため脱衣室へのご移動をお願いいたします、という主旨のことを言っていました。(サウナ入浴中だったので、正確な文言は忘却の彼方)

何故その放送にしびれるのか、実際に温浴施設の現場に立って運営をした人には分かると思います。

施設の閉店時間は、ホームページや看板、館内表示などあらゆるところに記載されているのですが、お客さまも事情はいろいろですから、最終受付時間ギリギリで駆け込んでくる人がいます。

最終受付時間はたいてい閉店の60分前とか30分前に設定されていますが、1人でも多くのお客さまに入浴していただきたい一方で、この閉店ギリギリのお客さまには困らされることが多いのです。

私も普段温浴施設を利用すれば、洗体してどれかの浴槽に入りサウナは最低3セットですから、60分では収まりません。それは誰でも同じことで、遅い時間に入館した人たちは、閉店時間が迫っていることが分かっていても、まだ風呂から上がりたくないのです。

しかし、入浴中の人がいたら浴室清掃が始められませんし、全員退館しないとレジが締められません。閉店作業が遅れれば、深夜勤務スタッフ全員の帰る時間が遅くなり、そのぶん余計な時給も発生してしまいます。

館内表示など読まない、守らない人はたくさんいます。それならばとBGMで蛍の光を大音量でかけたりして退館を促すのですが、通用しません。

結局スタッフが個別に何度か声掛けして、ようやく風呂から上がってもらう。それが温浴施設の深夜の日常風景なのです。

「そろそろ閉館ですから、お風呂から上がってください」では、伝わり方が弱い。

かと言ってせっかく来てくれたお客さまに対して「早く退館してください」では、感じが悪い。

そんな時に、上記の「(閉店15分前)になりましたら、浴室の清掃作業のため脱衣室へのご移動をお願いいたします」という言い方であれば、感じは悪くないわりにハッキリした強制力がありますし、閉館90分前から放送を繰り返せば伝わるでしょう。

女性スタッフによる、何気ない日常の館内放送ですが…

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