情報は秘匿しない

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今日は 2021年3月20日です。

情報は秘匿しない
 経営上の課題を、情報提供と経営判断サポートによって解決していくのがコンサルティングですが、この仕事を長くやっていると、情報だけでは現実を1ミリさえも動かすことはできないということを痛感します。

どんなに素晴らしく画期的な情報であっても、それによって自分や他人の行動を変え、現実を動かして初めて意味を持つのです。いつまでも保存しているだけで何も起こせないのだったら、そんな情報はあってもなくても違いがありません。

そう思うので、自分が知っていることはなるべく公開してしまうようにしています。なるべくと言っても、中には事実かどうかまだ確認できないこと、秘密保持に関わること、道義的に問題があること、恥ずかしいこと(笑)などもありますから、さすがに全公開というわけには行きません。しかし知っていることのだいたい8割くらいはオープンにしていると思います。

よく「そんな重要なノウハウを公開しちゃっていいのですか?」と聞かれることもあるのですが、いいのです。知っているだけではCDに保存されている音楽データと同じで、何も起きません。

プレイヤーにセットして電源を入れ、音を鳴らしてはじめてCDの中のデータが意味を持つのですから。もしかすると私が鳴らすことのできない音楽を鳴らしてくれる人がどこかにいるかもと期待して情報を公開しています。情報を抱え込んで腐らせるよりもずっと良いと思います。

 ところで、「サウナに入った時はそのサウナ室をどう変えたらもっと良くなるのか、脳内でリニューアルプランを練る」ということを何度か書いています。

この習慣がついたのは、以前埼玉県戸田市の彩香の湯さんでサウナ室改修のお手伝いをさせていただいたことがきっかけでした。

彩香の湯のサウナは、スーパー銭湯によく見られるガス遠赤外線ストーブのタワーサウナだったのですが、サウナ室の温度を四隅と中央、天井近くと床近くでそれぞれ測定してみたところ、想像していた以上に温度差があることが分かりました。

最も熱かったのはストーブに近い天井付近で110℃。測定するために温度計を持った手が火傷しそうで、測定を続けられないくらい熱くなっていました。逆に入口ドア付近の床近くでは外部から冷気が侵入してくるため53℃。その差は57℃もあったのです。

この時に、

「100℃超えの高温サウナとか言ってても、実際に座っている場所の気温はそこまで熱いはずがない。もし本当に100℃超えだったら、温度計を持った手と同じように熱過ぎてとても座って居られないはず」

「サウナ室の温度計表示は温度計を設置している位置がたまたまその温度だということで、部屋全体の温度は位置によってかなり違う」

「ガス遠赤ストーブ付近は輻射熱が強くて熱い。」

ということを感覚ではなく、数値データとして理解しました。

ということは、

「ベンチに高低差をつけることで、明確な温度バリエーションが生まれ、利用者によって好みの温度を選んで座れるようになる」

「110℃といった無駄な超高温部分は必要ないので、もっと室内の空気対流を促せば、ストーブの運転を抑えることができ、省エネにつながる」

「ガス遠赤外線ストーブの前は、熱い温度が好きな人にとっては上段ベンチに次ぐ第2の特等席になり得る」

のではないかと考えました。

その気づきから、ベンチのレイアウトや高さを工夫することでサウナ室のクオリティを大きく変化させるというリニューアルにつながったのです。

このことはすぐに当時のブログに公開したのですが、まだこの意味を理解してくれる人は少なく、あまり反応はありませんでした。
http://blog.aqutpas.com/2014/03/post-6fab.html

最近になって、ようやく上下の温度差や対流、換気、湿度などを気にするサウナファンが増え、ネットにもそういった投稿が増えてきました。温浴事業者側よりも、もはやユーザー側の意識の方がずっと先へ行っているのではないかと感じます。

今、サウナ室を大改造することなくクオリティを高める方法をいくつか考えています。まだアイデアレベルで…

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