繁盛店の特性

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今日は 2021年3月19日です。

このメルマガも気がついたら第1500号に到達です。いつまで続けられるのか分かりませんが、行けるところまで行くしか…(笑)

繁盛店の特性
 前回の記事の書き出し部分で、「満天の湯には、いつも行く度に様々な発見があります。」と書きましたが、この一文には特別な意味を込めました。

それは、「繁盛している温浴施設からは、他の施設で見られないような創意工夫がいくつも見つかる」ということです。

この法則を発見したのは今から20年以上も前のことなのですが、当時温浴コンサルタントとしての経験をそれなりに積んできたところで、あるセミナーを企画しました。

それは「小さな成功モデル100事例セミナー」というタイトルで、温浴施設の現場で実践されている様々な取り組みのうち、大きな設備投資が要らず、どんな施設でも参考になるような運営上の工夫や改善事例を集めて、1日で100事例をご紹介する、というものです。

一般的なビジネスセミナーは、第1講座から始まって全体として何らかのテーマがあり、各講座の中にもそれぞれ起承転結があるような構成になっています。

講師は受講者に効果的に伝わるよう、事例紹介を適度に織り混ぜたり、話し方やストーリーを工夫して講演します。

前の職場は様々な業界向けに毎日何本ものセミナーを開催するような会社でしたから、そのセミナー開催ノウハウや講師の講演スキルも大したものだったのですが、そういったセオリーを破って、とにかく事例紹介だけに徹するという珍妙なセミナー企画だったのです。

しかし、これが大当たりしました。

1事例を3分で説明しても300分=5時間かかるので、長時間のセミナーになるのですが、当時の温浴業界には大好評で、毎年たくさんの参加者を集める人気セミナーとなったのです。

どうして私がそのような常識破りの企画をしたのかというと、それは温浴業界の特性が分かってきたからでした。

まず、当時の温浴業界は業界団体的な横のつながりが希薄で、情報の共有化が進んでいませんでした。近隣競合店の様子をうかがいながら、見様見真似で運営。困ったことがあってもどう解決したら良いのか分からない状態の施設が多かったのです。

もうひとつは、億単位の大型設備投資からスタートする事業ですから、何かを変更しようにもまた大きなお金がかかってしまうことが多く、皆さんなかなか身動きが取れずにいたのです。低投資で実行可能な改善ノウハウに飢えていたと言えます。

そんな温浴業界が最も必要としているであろう情報とは何かを考えた時に、理論よりもまず事例情報、「小さな成功モデル100事例」という考え方が浮かんだのです。

そしてセミナー企画を会社に申請し、全国の成功事例情報を集めていた時に気づいたのが上記の法則でした。

温浴施設は装置産業と呼ばれるだけあって、客数や売上の大小は施設の面積や市場性によってある程度決まってしまうものですが、その環境を超える繁盛ぶりを見せている施設には、やはり様々な創意工夫の積み重ねがあるのです。

繁盛店とは、常識にとらわれない大胆な試みができるチャレンジ精神と実行力があり、現場に近いところで経営の意思決定がなされているということでもあるでしょう。そんな施設からは成功モデル事例となる取り組みをいくつも発見することができます。

逆に多額の投資をかけた立派な施設、潤沢な商圏人口を背景に大きな売上や客数となっている施設であっても、何の工夫も見つからないことがあります。戦略の勝利と言えますが、運営ノウハウ的にはあまり参考にならないのです。

いま、コロナ禍からどうやって抜け出すのかが業界共通の悩みと…

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