サウナのマナー

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今日は 2021年3月12日です。

サウナのマナー
 先日顧問先のある温浴施設の会議で、社員入浴の奨励が議題に上がりました。

その施設のスタッフの中には、自店でよく入浴する人がいる一方で、ほとんど入浴していない人もいたのですが、安心安全快適な施設を徹底するためには、日頃から自分たちがお客さまの目線で入浴していることが必要、ということで、仕事の一環として自店での入浴を継続しましょうということになりました。

日頃自店で入浴する習慣がまったくない人もいたので、あらためて社員入浴の心得として4つのポイントをお伝えしました。

1.館内では他のお客さまのお手本となるようマナー良く振る舞う

2.お客さまになって入浴し、スタッフ同士の馴れ合いの会話はしない

3.入浴時に何か気づいた点があれば、社内で共有(改善活動)

4.サウナ入浴にチャレンジ

ということです。昔は4つ目のサウナ入浴の項目はなかったのですが、今はとても重要です。

サウナブームが温浴マーケットを牽引しているといっても良いくらいの今、サウナを利用する人の気持ちを理解せずして、お客様を満足させるサービスの提供はできません。

自分たちが何を提供しているのかを知らないまま、いくら顧客満足だ販売促進だと言ったところで何をどうしたら良いのか分かりませんし、スタッフ自身がサウナ入浴者の立場にならなければ、気づけないことがたくさんあるのです。

妻の望月啓子は、毎週複数の温浴施設に足を運ぶヘビーなサウナーなのですが、昔から幾多の企業のスタッフ教育を手掛けてきた研修のプロでもあります。

その妻が、ある温浴施設でスタッフの動きを観察していて、サウナ室の出入り時の動きについて言及していました。

室内状況のチェックやサウナマット交換、またロウリュサービスなど、スタッフがサウナ室に出入りすることは頻繁にあるのですが、その時開けたドアを素早く閉めようと配慮するスタッフと、無頓着なスタッフがいると言うのです。

この意味は、サウナをよく利用している人にしか理解できないと思います。

サウナ室のドアを開けると、開口部からコールドドラフトと呼ばれる冷気が室内に侵入し、床に近い低い部分を流れ込んできます。サウナで加温中の人にとっては、このコールドドラフトが身体にあたるのが不快なのです。

ドアを大きく開けてなかなか閉まらないと、大量の冷気が侵入して室温も下がってしまいます。

ドアは小さく開けて素早く閉めるのは、サウナ愛好者同士のマナーでもあるのです。

サウナ室のドアは必ず外開きですから、出るときに振り返って手でドアを閉める動作をする人と、背中を見せたまま真っ直ぐ出て行ってしまう人では、丁寧さの印象も大きく変わってきます。

「お客さまと通路ですれ違う時は隅に寄って会釈する。」

「お客さまから何かを承るときは姿勢を低くしてお客さまの目線より下で聞く。」

…こういったことはサービス業として一般的によく言われる接客マナーですが、「サウナのドアは小さく開けて素早く閉める」というのは温浴施設にしかない心得であり、スタッフ全員がその顧客心理を理解している施設はまだ少ないでしょう。

私自身も、利用者としてはコールドドラフト問題を気にしていましたが、スタッフのマナーという視点は妻に言われて初めて気づきました。

時代と共にスタッフに求められるスキルやマナーも刻々と変わって行きます。お客さまの行儀の悪さを嘆くよりも、まず自分たちのマナーを磨くことが先決なのです。

(望月)

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