コロナ禍の持続化経営

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今日は 2021年2月26日です。

コロナ禍の持続化経営
 北陸地方の某日帰り温泉の社長とオンライン会議をしたところ、「このあいだの望月さんのメルマガで、コロナの混乱はあと1年以上続き、景気回復には何年もの長期を要すると書いてあって、ガックリきた。」と元気なく言われました。

私の書き方が悪かったのかも知れませんが、私は占い師や預言者ではありませんので、3シーズンとか10年というのはあくまでも仮説です。未来はこうなる!と言い当てようとしているわけではありません。

読者の皆様を失望させてしまったのなら申し訳ありませんでした。

ただ、100年前のスペイン風邪の流行のパターンや、13年前のリーマンショックからの回復にかかった時間という経験則から、今回のコロナ禍に対して早期終息という楽観視はできませんし、かといって萎縮して固まっているだけでは売上縮小の長期化に耐えられないので、今は厳しいシナリオを想定して行動し、事業を持続できるようにすることが大切、とお伝えしたかったのです。

事態が想定よりも好転すれば、ボーナスになります。

私は温浴に関しては専門家を自負していますが、国際経済や政治の舞台裏などについて世間並み以上の見識を持っているわけではありませんので、未来のことは分かりません。

温浴業界の動向に関しては、講演タイトルなどで「将来予測」というような言い方をしますが、それができるのは
(1)温浴に関する各種統計データはExcelに入力して自分で分析している
(2)SNSはじめ、温浴に関することは各方面にアンテナを張って日々情報収集している
(3)顧問先のために考える経営戦略は、そのまま全国で苦戦している2番店以下の温浴施設に共通して当てはまる戦略であることが多く、いずれみんな似たような手を打つようになる

という理由があるからです。

上記の(3)は分かりにくいかも知れませんが、例えば1990年代の温浴業界は、入浴料500円前後の安価なスーパー銭湯と、2,000円以上の高価な健康ランドに2極化した時代でした。

当時は全国各地で、顧問先の施設がどうすれば周辺競合施設との差別化を図れるのかと考えた時、中間の800円〜1,800円の予算帯に競合が少なく、そのグレードを狙いに行くことが多かったのです。

そうなれば、「これから温浴業態は2極化ではなく、ボーダーレス化していくだろう」という方向性が自然と見えてきます。

源泉かけ流し、岩盤浴、ロウリュ、サウナ環境強化、居場所の多様化…いずれも顧問先で試行錯誤して仕掛けた結果、逆転満塁ホームラン級の効果があったからこそ、今後はおそらくみんなもそこに向かうことになるだろうと予想がつくわけで、天からの啓示があったりするわけではないのです。

今のコロナ禍に対しては、残念ながらホームラン級の対策はまだありません。

しかし、何も打つ手がないかというとそんなことはありません。

昨日の仕事帰りに寄った立ち飲み居酒屋は満席でした。スーパーのお惣菜コーナーも夜になると人だかり。

朝風呂などの対策で客数を昨年以上に伸ばしている温浴施設もありますし、落ち込んでいる既存部門に代わる新しい売上を作り出す事例も出てきています。

オペレーションをゼロから再構築して人件費を徹底的に抑制した施設もあります。

経営改善の可能性はいくらでもあるのです。

「コロナ禍が続いても、1年後の資金繰りは大丈夫」というところまで、小さなチャンスを拾い、コツコツと改革を積み重ねていく。今は徹底してそれをやり抜くしかないのです。

今の状態が基準と思えば、7割経済が10割に回復する時は143%経済が待っています。

(望月)

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