適者生存

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今日は 2021年2月5日です。

適者生存
 某業界誌さんから「コロナ禍の温浴ビジネスの今後」について取材を受けました。

日頃はご支援先の現場サポートに頭を悩ませているため、私自身も現場目線になっていることが多いのですが、取材を受けているうちに、話は徐々に俯瞰的な方向に向かいました。その時考えたことをここに書きます。

コロナ禍以前から、温浴ビジネスはライフサイクル成熟による市場の衰退傾向と建築コストの高騰によって、かなり難しい事業となっていました。

相当条件的に恵まれていないと、きちんと投資回収できる事業計画が作れないようなビジネスになっていたということです。

そこにコロナ禍となり、今は運営力のある繁盛店でも売上大幅減に四苦八苦しています。

いつマーケットが回復するのか誰にも分からない状態ですから、もはや新規開業は既存のビジネスモデルを当てはめている限り、事業成立は困難という答えしか出せないのではないかと思います。

業界誌さん的には「新たな高収益モデル」みたいな威勢の良い話が聞きたかったのかも知れませんが、そうではないという話をしました。

いま既存の温浴施設は、衰退傾向にコロナ禍が重なって7割以下にシュリンクしている従来の温浴マーケットに追いすがるのではなく、新しい事業機会を見出そうとしたり、常識を超えるようなコスト構造の見直しなど、抜本的な経営改革に取り組んでいます。

置かれている環境と自社の経営資源の中から、生き残る道を見つけるために必死なのです。

そこには成功モデルの追従といった発想はもはやなく、ゼロからのオリジナル戦略です。

従来の飲食やボディケアだけにとらわれない異業種との組み合わせであったり、通販やデリバリーなど店舗集客とは異なるビジネス形態。あるいは予約制や定額制、個室化、アウトドア化などでこれまで温浴を利用しなかった層も開拓…。

それはあえて言うなら「多様性」です。置かれている環境も経営資源もそれぞれ異なりますから、出てくる答えもひとつひとつ違うことでしょう。

百獣の王と言われるライオンは、国際自然保護連合が定めるレッドリストの危急種に定められています。空なら猛禽類、海ならサメやシャチ。決して強いものがいつまでも生き残るわけではありません。

最終的に生き残るのは弱肉強食に勝つ「強者」ではなく、環境変化にうまく適応できた「適者」。

それが自然の摂理のようです。

(望月)

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