いまこそ朝風呂(2)

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今日は 2020年12月15日です。

いまこそ朝風呂(2)
 前回記事で朝風呂営業について書いたところ、さっそく満天の湯の久下沼常務からご感想と、自店の実体験としてどのようなプラスマイナスがあったのか、ありがたいメッセージをいただきましたので、要点をご紹介します。

・朝風呂料金は必ずしも安くしなければならないわけではない。浴室の設備が通常稼働しているなら、通常の入浴料金設定は可能。(満天の湯では朝風呂だけ別の料金設定はしていない)

・朝風呂ユーザーはコロナ禍からの客数回復が時間帯別で一番早かった。生活習慣として利用する固定客が中心なので、安さが来店動機ではない。

・スタート当初はキャンペーンやクーポンで告知するので、その割引余地という点でも限界まで下げない方が良い。

・浴室清掃時間を朝から深夜に移したことで多少人件費は上がる計算になるが、そのぶん作業工程や人工を見直してバランスをとった。人材確保は楽になった。

・閉店後すぐに鏡やカランを清掃するので、今までのように水滴がそのまま朝まで残って乾燥して蓄積するということがなくなり、休館日などでの大規模清掃を外注しなくて済むようになった。トータルで経費は下がった。

…といったことでした。

最後に「やると決めて腹をくくれるかどうかでしょう」と結んでおられましたが、満天の湯は強力な競合店が至近に登場したことにより、その対抗手段としてが朝風呂をやらざるを得なかったという経緯があります。

今でこそ満天の湯は多くの朝風呂のお客さまで賑わっていますが、それなりの葛藤とプラスマイナスがあり、それを乗り越えてきたということです。

いただいたメッセージの中で特に注目したのは料金設定と、コロナ禍による客数減からいち早く回復したのが朝風呂時間帯という点です。

一般的に朝風呂はワンコイン500円など、抑えめの料金設定とすることが多いのですが、「入館料」としている場合は館内の一部ゾーンを営業休止していると、利用価値が下がりますので通常料金をいただくのは難しくなります。「入浴料」としている場合は付帯部門の状態に関わらず、浴室設備がすべて使えるかどうかだけの問題となります。

「入館料」と「入浴料」を使い分ける基準は曖昧ですが、デフォルトで館内着を提供しない業態であれば、通常料金のまま朝風呂営業しても良さそうです。

もうひとつのコロナ禍による客数減からの回復という点も重要です。

このコロナ禍で大きな影響を受けた客層が年配客であることはご存知の通り。新型コロナ感染症は特に基礎疾患のある人、高齢者のリスクが大きいとされており、多くの温浴施設で今も年配客の減少傾向は続いていることと思います。

朝風呂は「早起きの年配客」がメインターゲットと言っても良い施策ですから、むしろコロナ禍の影響を受けて集客回復が難しいのではないかというイメージがありますが、現実は逆なのです。

久下沼さんが言うように…

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