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今日は 2020年12月12日です。
◆閉店の知らせ相次ぐ
自宅のある神奈川県は、人口10万人あたり温浴施設数で言うと決して多い方ではなく、2017年に全国ランキングを計算した時は、47都道府県の中で下から4番目の10万人あたり6.8件(一般公衆浴場除く)でした。
つまり、人口と温浴施設のバランスから言えば温浴施設同士の競合はかなり緩い方なのですが、今年はその神奈川県で有力な存在感を示していた施設が閉店するという知らせが相次いでいます。
このメルマガでも書いてきましたが、平塚のグリーンサウナ太古の湯にはじまり、横須賀のサウナトーホー、相模健康センター、JNファミリー…。
よく知っている施設がなくなっていくのは寂しいものです。
しかし、これはコロナ禍のせいばかりではありません。
1980年代から90年代に建てられたスーパー銭湯や公共温泉。当時は温浴施設の開業ラッシュが続いており、年間1,000件以上の公衆浴場営業の届け出が受理される状況でした。
分かりやすく言うと、毎日のように全国のどこかで3〜4件の温浴施設が新規開業していたという時代です。
その世代の施設が築20年から30年以上という時期を迎えています。
新築から15〜20年が経過すると、大型設備の更新という問題が出てきます。内装や家具と違ってボイラーや濾過器などの設備更新はお客様から見えない部分なので、新しくしてもリニューアル効果が期待できません。そこに多額の費用を投じるには、目先の資金繰りだけでなく「最低あと15年はこの事業を続ける」という覚悟とビジョンが必要になります。
長期事業継続できるかどうか、ここがひとつの壁と言えます。
さらに30年以上経つと、設備だけでなく建物自体も老朽化してきます。修繕しながら延命できたとしても、寿命が近づいていることには違いありません。これが2つ目の大きな壁です。
そこへ突然のコロナ禍で売上が大幅にダウンし、いつ回復するとも知れない状況が続けば、事業継続断念となってもまったく不思議ではないのです。
1991年の営業許可件数は1,456件でしたから、まだ生き残って来年30歳の誕生日を迎える施設はかなり多いはずなのですが、おそらく閉店の判断となる施設も相当増えることでしょう…
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