長寿施設のビジョン(4)~再投資・リニューアルへの備え

リニューアル前のロビー(2004年頃)

有料メルマガ「日刊アクトパスNEWS」会員の皆様

今日は 2020年12月8日です。

長寿施設のビジョン(4)
 今から15年以上昔のことですが、有馬温泉太閤の湯(1962年創業)が旧来の有馬ヘルスセンターの業態とイメージから脱却する一大リニューアルのお手伝いをしていた時、当時プロジェクトを担当されていた阪急グループの入谷さん(現有馬ビューホテル・有馬温泉太閤の湯社長)から教わった言葉があります。

(4)再投資・リニューアルへの備え
 それは、事業への再投資には「更新投資」「安全化投資」「省力化投資」「増収投資」の4つの分類があるということです。

「更新投資」とは、施設や設備の消耗や経年劣化に対して、本来の機能を回復させるべく定期的に修繕メンテナンスをすること。手入れの行き届いていない施設では利用者に不便や不安感を与えてしまいますし、本来の機能が提供できていない状態が続くのなら正規料金をいただくことは難しくなります。

古くてもまだ使えるものなら大切に使うということはありますが、破損したりまともに動かない物の更新を先送りすることはできません。

「安全化投資」とは、顧客と従業員の安全を守るための避けられない投資のこと。耐震補強であったり、レジオネラ菌対策、床の滑り止めなどが該当します。安全と衛生は温浴事業の大前提であり、危険な状態を放置したまま営業することはできないのです。

「省力化投資」とは、省エネ・省コストのための投資。LED照明に替えたりIT化することなどによって、損益の改善が図れます。これはコスト削減効果とイニシャルコストのバランスを計算すれば、損か得かは子供でも判断できる投資です。

最後の「増収投資」が最も難しい判断です。時流変化への適応、競合店との差別化などを目的に、集客力や客単価を向上させるための施策ですが、いくら投資したらどれだけの効果が上がるのかを正確に予測することはできません。マーケティング調査や事例研究などで慎重に効果を見極める必要がありますが、最後はリスクをとる覚悟がなければ踏み切れないのが増収投資です。

ひとくくりに再投資やリニューアルと言っても、実際は上記4つの投資が混在していることが多いのですが、総額いくらという考え方だけでは…

---------
この記事は会員限定公開となっており、全文は表示されておりません。

メールマガジン「日刊アクトパスNEWS」をご購読いただくと、毎日全文がメールで届きます。

メールマガジンご購読のご案内はコチラです。

Share this...
Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter