長寿施設のビジョン(3)~自然を活かす

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今日は 2020年12月7日です。

長寿施設のビジョン(3)
 堅実な集客につながる足元のリピーター確保を前提とすることと、一方で多様なマーケットをキャッチすることで環境変化にも柔軟に適応する。これが長寿施設となっていくために重要なマーケティング戦略です。

さらに、温浴ビジネスを数年の短期スパンで終わせないためには、マーケティング面以外でも考えておかなければならないことがあります。

(3)自然を活かす
 温泉のスケールがついて変色した岩風呂、露天風呂の湯に浮かぶ紅葉の葉には風情がありますが、タイル貼りの浴槽にスケールがついていたり落ち葉があったら汚く見えるだけでしょう。

人工的に作られたものと違い、自然は生々流転しながらずっと続いていきます。苔むす岩や、枯れて朽ちる木に法定耐用年数はなく、古くなってもむしろ風流や味という価値が増すものです。

デザイン性やコスト、メンテナンス性などでは新建材が優れていますが、木造、畳や障子、土壁など従来の工法や建材がもっと見直されても良いのではないかと感じています。

また借景や植栽、天然温泉、天然水、気候といった自然環境や四季折々の変化は、そのものが人を楽しませ、癒す力を持っています。

これらの本物の天然素材や自然環境をできるだけ施設の魅力として取り込み、活かすことによって、時間の経過とともに老朽化・陳腐化しにくい温浴施設が実現するのです。

この点では、現代的な建築よりも、内と外の曖昧な空間である縁側がある昔ながらの和風建築の方が向いていますし、都市部よりも自然環境に恵まれた地方の方が有利と言えます。

5年や10年ではなく…

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