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今日は 2020年12月5日です。
◆長寿施設のビジョン(2)
前回記事で「地元商圏に密着し、そのマーケットボリューム相応の施設規模であれば、時流の波に翻弄されにくい堅実な経営となるのです。」と書きました。
では近隣地域のみを対象とした小規模温浴施設であればうまく行くのかというと、必ずしもそうではありません。小商圏・小規模業態の代表格である銭湯は、いまだ健在な老舗が多くあるとはいえ、全体としては減少の一途を辿っているのが現実です。
リピート客を獲得しやすい近隣商圏をおさえることは最重要なのですが、同時に広域商圏や通過・観光マーケットからも複合的に集客することによって、競合店の出現や時流変化に対するリスクヘッジになるのです。
(2)複合マーケット戦略
銭湯以外の長寿温浴施設に目を向けてみると、道後温泉本館(1894)、有馬温泉太閤の湯(1962)、スパリゾートハワイアンズ(1966)、天山湯治郷(1967)…名だたる繁盛店かつ老舗の温浴施設は、地元商圏(近隣・広域)のみならず、通過・観光マーケットに対しても集客力を発揮していることに気づきます。
性質の異なるマーケットを複合的にとらえることによって、時代とともに変化していく競合店動向や消費行動に柔軟に対応することが、長寿企業の共通戦略と言えるのです。
移動時間10分以内の小商圏であれば、
・自家風呂より魅力的
・清潔で安心
・長時間営業
・お手頃価格
・サウナがある
といったことが集客の決め手となります。
移動20分くらいの中商圏では、
・地域一番化
と言われる競争優位なアイテムを持つ戦略が威力を発揮します。小売業では「比較購買」とも言われますが、地域で一番品揃えが充実している、地域で一番価格が安いといった、一番の魅力が大切なのです。
スーパー銭湯が設備のバリエーションと安さで張り合ってきたのは、まさにこの戦略でした。
30分くらいの大商圏になると、わざわざ行こうと思ってもらえる強い目的性が必要であり、
・他にないオンリーワンの魅力
・期待感を持たせる高価格
・移動時間に比例する長時間滞留性(着替え、食事、休憩…)
といった要素が必要です。
日帰り観光マーケットから集客するには、
・その地域ならではの特色
・名所、名物化
・レジャー行動との親和性
を考える必要があります。
宿泊観光マーケットに対しては…
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