温浴とコンビニエンスストア

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今日は 2020年12月2日です。

温浴とコンビニエンスストア
 何百坪もの施設に何億円もかけて作られる温浴施設と、50坪の小売業であるコンビニエンスストアを並べて、その坪効率や生産性を比べようとするとはおかしな奴だと思われるかもしれませんが、私にとっては両者には注目すべき共通点があるのです。

ひとつは商圏戦略です。

コンビニエンスストアストア1店が成立するのに必要な商圏人口は5,000人くらいからと言われています。

温浴施設の場合、必要商圏人口はスーパー銭湯で10万人、健康ランドなどの大型施設では30万人とも言われていますが、実は銭湯の商圏人口はコンビニエンスストアと同様です。

風呂屋というビジネスは、本質的には小商圏型であり、ショッピングセンターや百貨店が大規模施設に様々な業種のテナントを複合させて大商圏を形成しているように、スーパー銭湯や健康ランドなどの大型温浴施設は複合業態なのです。

コロナ禍で消費行動が変化し商圏が縮小、大規模施設は小売店も温浴施設も大苦戦中ですが、あらためて小商圏密着型のビジネスの強さを感じています。

もはやコンビニエンスストアは流通業界の中心的存在ですが、銭湯は一部の元気な企業を除けば衰退業種とされています。
銭湯が廃れてしまったのは市場性とは別のところに理由があり、本当は小商圏密着型温浴施設はいけるのではないか?と考えています。

もうひとつはターゲット戦略。

多くの小売業やサービス業では対象とする客層を絞り込み、その特定のニーズに対応することで支持を集めているのですが、コンビニエンスストアのターゲット戦略は全方位です。

塾帰りの子供も、仕事が忙しい勤め人も、酒飲みのおっちゃんも、あらゆる客層を意識して、それを平均像としてまとめるのではなく、個別に対応しているのです。

平均日販50万円以上の売上は、そのきめ細かい対応ひとつひとつを積み重ねたものであり、単一の価値を提供しているわけではありません。

温浴施設はこの点を見習うべきだと感じています。

ひとつの価値(設備)を…

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