迷う時

画像:2006年に独立を決めて船井会長に報告に言った際に書いていただいた色紙

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今日は 2020年11月24日です。

◆迷う時
 2019年末のメルマガ記事「決断と実行」(2019年12月28日執筆)で、

──決断という言葉は「決」と「断」という2つの文字からできています。決めるということは、その一方で断つ、つまり何かを犠牲にしたり、リスクを負うことでもあります。経営リスクを負う最終責任は経営側にありますから、現場スタッフに決断はできません。決断こそが経営者の最も重要な仕事なのです。
(中略)
支配人や店長の最も重要な役割は、決断する経営側と実行する現場側の間に立って、両者が健全に機能するようにパイプ役や潤滑油になること。とても難しい仕事です。

経営的な困難に陥っている企業とは、この決断力と実行力のいずれか、あるいは両方に問題を抱えているために、その企業が本来持っているポテンシャルを発揮できていない状態と言えるでしょう。

景気の低迷や競合施設の動向といった外部環境の問題は、この決断力と実行力が機能不全である問題に比べれば小さなことかもしれません。──

と書きました。

2020年末に近づいてきた今も、コンサルティング先ではこの問題が立ちはだかっています。多くの企業において、この決断力と実行力の問題によって、時代の激しい変化に翻弄されたり、思うようなスピードで結果が出せずにいるのです。

失敗するのは怖い。
失敗の責任をとりたくない。
悩むのはストレス。
周りの理解を得るのは大変。

こう考えるのは人の自然な心理です。

だから誰もが無難な判断、他者まかせの判断、資金繰り都合による判断、先送りで時間切れ、前例主義といった思考停止状態に陥りがちなのです。

 かつて恩師舩井幸雄から教わったことの中で今一つ自分の腑に落ちていない言葉がありました。それは「迷う時はやらない方が良い」という考え方です。

「仕事でも、日常生活のさまざまなことでも、迷う時は、自分の中からある種の警報が送られているか、純粋に進めない何かの問題がある時です。心の中から、理屈抜きに、ワクワクすることを即座に行動に移しましょう。」

「少しでも迷うこと、実現の確信の少ないことは中止しよう。」

このようなことを言われていたのですが、企業経営とはGOかSTOPか、右か左か、常に判断の連続であり、迷うたびに中止していたらたちまち企業活動が停滞してしまうのではないか?と疑問に思っていたのです。

私がコンサルタントとしてアドバイスや提案することは、長年の経験と原理原則に基づいて、こうした方が必ず良い結果につながる、と確信していることです。

それにも関わらずなかなか決断実行してくれないクライアント企業に対して、早くやった方がいいのに、と焦れながら、手を変え品を変え説得を試みていたのですが、ふと、説得を続けるのではなく「迷うようでしたらやめましょう。」と言ったらどうなるのかと思ったのです。

その問題に対処しない、やめる、中止するということは、それも実は経営判断です。そこでようやく、「本当に中止して良いのか?」「このまま手を打たずに放置したらどうなるのか?」ということに思い至るはずです。

いつまでもくよくよ悩んだり、思考停止に陥るくらいなら、迷った時はいったん「やらない」「やめる」と考えてみる。やめた後のことを想像した時に「それはないな」と思えば、そこから「ここはやはりやらざるを得ない」「どうしたらうまく行くのか」という前向きで主体的な発想に…

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