目的と手順

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今日は 2020年11月16日です。

◆目的と手順
 ある温浴施設でテントサウナイベントを開催する準備を進めているそうなのですが、行政との調整が予想以上に難航しており、そうこうしている間に先に発注していたテントサウナそのものが届いてしまった、という話を聞きました。

全国的に開催例が増えているアウトドアサウナイベントですが、脱法的な事案があったりすることで、行政によっては許認可にかなり慎重になっているところもあり、本当に自店で開催できるのかどうか、注意が必要です。

しかし、許認可の前にテントサウナが届いたというのは、さすがですね、というのが私の感想。

新しいことにチャレンジする時には、目的達成までの道筋がすべて見えているわけではありません。効率だとか費用対効果だとか、平常時の感覚で取り組もうとすると、おそらく途中で正解が分からなくなって頓挫してしまうことでしょう。

頓挫したとしてもそれはそれで仕方無し、と思えるようなことであれば、それでもいいのかも知れません。安全確実に守っていれば経営的に問題ないということであれば。

しかしいまは平穏な時ではありません。守りに入って動かずにいると、7割経済下で徐々に体力が削られ、気が付いたらもう新しいことに挑戦する体力が残されていないということになる可能性もあります。

企業体力が残っているうちに、今までとは違う新しいビジネスチャンスをどんどん模索していかなければならない時なのです。

手順や効率はお構いなしに、とにかく少しでも前に進もうという勢いがないと、未知の世界は突破できません。

こういうことを考えると、2011年の東日本大震災の時を思い出します。

被災地のニュースで低体温で亡くなる方がいたり、長期間風呂に入れないという状況を見て、温浴業界で仕事をさせてもらっている一人として何かできないかと考え、ドラム缶風呂支援をしようと思い立ったのです。

しかし、いざ実行しようとしてもそのやり方が分かりません。

ドラム缶はどうやって調達するのか、どこの被災地に運ぶのか、費用はどれくらいかかるのか、安全なドラム缶風呂のやり方は…分からないことだらけで、実際に実行できるのかどうか、ネットで調べたってそんなことはどこにも書いていませんから、道筋はまったく見えなかったのです。

社内で手分けして情報収集しても、困難ということが次々と判明するばかり。普通だったら諦めるところでしょう。

それでも絶対にやらなければならない、という思いの方が強かったので、行く先も決まっていないのに備品の調達、レンタカーの手配など、できるところから進めたのです。

手順はめちゃくちゃですが、そうやって前に進めながら困難をひとつずつ減らしていって、最終的にはドラム缶風呂支援を実現させることができました。

震災の被害規模からするとささやかな支援がひとつできたに過ぎませんが、この時の体験から、目的に近づけないのは本気度や勢いが足りないせいではないか?と考えるようになりました。

理屈を言って結局動かないのは誰にでもできることですが、本気で目的達成しようとする人にとっては、少々の非効率や失敗よりも、一歩でも前に進むことの方が重要なのです。

そういう意味で…

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