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今日は 2020年11月14日です。
◆食わず嫌い(3)
イメージ作戦でサウナに対する古いマイナスの印象をある程度払拭できたとしても、すぐにサウナにハマってくれるのかというと、そう簡単には行きません。
「前に一度入ったことがあるけど熱くて苦しいだけだった」「水風呂に入ろうと思ったけど、足を入れたら冷たくて心臓が止まるかと思った」といった記憶があったり、あるいは一度も入ったことがなければ、いくら勧めたところでやはり気後れするものです。
この気後れを乗り越える一番良い方法は、一緒にサウナに入ること。
食わず嫌いを治すふたつめの方法は「コーチング」です。
自分ひとりで行くのは躊躇われても、人に誘われれば仕方なく行ってみるかという気にもなりやすいものです。そこでサウナ入浴法のコツを教われば、高い確率でサウナの魅力に目覚めることでしょう。
サウナの良さを存分に体験してもらわなければなりませんので、一緒に行く施設はできるだけサウナ・水風呂・外気浴のサウナ環境がしっかり整備されていて、清潔感があり、あまり混雑していないタイミングが良いでしょう。
自店の休館日や営業時間終了後にサウナを使えるのであれば、それが最も良いと思います。
実際に入る時は、あまり細かい指示をしたり、理屈を言うのではなく、とにかく一緒にサウナ室に入る。
スポーツでも何でもそうですが、座学や基礎練習ばかりだと面白くなくて続きません。試合やゲームを体験してこそ、その醍醐味が分かるというもの。サウナもそれと同じです。
まずは体験してみる。そのためにはサウナ室に入ることから始まります。
熱くて苦しいのは嫌と思っている人は、温度の低そうな下段に座るかも知れませんが、それでも構いません。まずは好きなようにサウナを体験してもらいましょう。
そして数分も経つと、体表の温度が上がり、心拍が昂進、発汗も始まります。おそらく初心者は「もうしんどくなってきた、そろそろ出たい」と言い出すでしょう。
ここからが本番です。短時間では身体の芯まで加温できていませんので、その状態ではまだ水風呂に入れません。加温不十分で無理に水風呂に入っても、気持ちよさよりも冷たさの苦痛の方が上回ってしまうのです。
水風呂の冷たさを気持ち良いと感じるためには、熱くて苦しいと感じ始めてからもう少し我慢する必要があります。
そのために、話しかけたり、タオルで頭部を覆って加熱を防ぐことなどを教えると良いでしょう。移動してベンチ最上段が一番熱いということを体験してもらうのも効果的です。
そうやって、しんどいと訴え始めてからさらに2分くらいは長く加温してもらいます。加温時間の目安は8分以上とも言われますが、サウナ室の環境にもよるので一概には言えません。しんどくなってきてからプラス2分が目標です。
これはスキーに例えれば、怖がって下の方の緩斜面で練習している初心者をリフトで頂上に連れて行くということ。頂上の景色やゲレンデの変化を体験してはじめてスキーで滑る楽しさを知るのと同じことです。
サウナによる爽快感や体調変化は、加温だけでなく水風呂もしくは低温外気浴による冷却の後でしか得ることができません。冷却を体験してもらうためには、その前準備として十分な加温が必要なのです。
もうダメというところまで加温できたら、いよいよ水風呂です。最初の水風呂は10秒でもいいので、とにかく全身を一気に冷やすということを体験してもらいます。
初心者には強いストレスですが、そのストレスがあるからこそ、反動として訪れるリラックスタイムを実感することができるのです。
そして冷却の後は休憩。外気浴しながらリラックスできるチェアがあればベストですが、なければベンチでも浴槽の縁でもいいので、とにかく静かにして、自分の身体に起きている変化を感じてもらいます。
これで、頂上からスキーで滑り降りるということを1回体験したことになります。
しばらく休んだら、続けて2回目、3回目にチャレンジ。だんだん身体が温度変化に慣れてくるので、初回よりも長時間の加温や冷却ができるようになることも実感できるでしょう。
サウナ→水風呂→外気浴。初心者がこのサイクルから途中で離脱しないよう、横について一緒に入ってあげるのがサウナコーチングです。私はこの方法でたくさんの人をサウナファンにしてきました…
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