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今日は 2020年10月15日です。
◆匿名性と社会性
先日調査で訪れた温浴施設の脱衣室に、「あいかわらず浴室で毛染めをする人が…」とマナー違反客との対決姿勢を露わにした厳しめのPOPが貼られているのを見かけました。
浴室で毛染め剤を使用すると異臭が発生して他のお客様に不快感を与えますし、タイルや目地が染まってしまうと落とすのに苦労します。そんなことは使う側も想像がついていると思うのですが、自宅の浴室を汚したくないからなのか、毛染め事件はなかなか撲滅できないようです。
毛染め事件なんてまだ可愛い方で、温浴施設では毎日いろいろなことが起きています。
私が実際に経験したことでも、
・空のマイボトルを持参し業務用アメニティをたっぷり詰め替えていく。
・使い放題のタオルをカバンにぎっしり入れて持ち帰ろうとする。
・子供が家族風呂の壁を削って落書きしたり備品にいたずらしまくっても素知らぬ顔で帰ろうとする親。
・ビュッフェの食べ終わりに料理を思い切り皿に盛り付けて全部残して帰る。
・些細なミスをしたスタッフを大声で怒鳴りつけ、しつこく謝罪を要求。
・匿名のアンケートで罵詈雑言。
・匿名のネット投稿で事実無根な誹謗中傷。
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思い出したくもない出来事が数えきれないほどありました。
過去にも何度かこのメルマガで「日本人の約2割は躾のなっていない、非常識で自己中心的な人たち」ということを書いていますが、不特定多数が利用する公衆浴場はこの困った人たちと対峙し続けなければならない宿命にあります。
昨今のマスク問題もそうですが、マナーや道徳といったことは明文化された法律と違うため、人によって判断基準が異なるのはやむを得ない部分もあり、そこはある程度お互いの我慢も必要となります。
しかし温浴施設で起きている事件の中には、店が損害を被ったり、明らかに悪意でやっていると思われることや犯罪行為も少なくないため、現場が日々抱えるストレスは相当なもので、それゆえ注意書きの言葉が厳しい表現になってしまうのです。
かつては、厳しすぎる表現やネガティブメッセージが目に余る時は、「この問題はそんなに頻繁に起きていないでしょう?」「普通はここまで厳しく書きませんよ」と言ってPOPを作り直したり、剥がしてもらうこともあったのですが、自分が現場で同じような目にあってからは言いにくくなりました。
多くの善良なお客様、頑張っている現場スタッフ、事業の存続を守るためには、「お客様は神様」などキレイ事に過ぎません。一部の行儀の悪い人による迷惑行為や犯罪に対しては、尻尾をつかまえて弁償させたり、出入り禁止、警察に通報といった厳しい姿勢で臨むしかないのです。
とはいえ…
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