これからの温浴施設開発、勝利の方程式とは?

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今日は 2020年10月5日です。

◆これからの温浴施設開発、勝利の方程式とは?
 コロナ禍が始まって以来、頭の中でずっと考えてきたことがあります。

それは「温浴マーケットサイズはどうなるのか?」ということです。

マーケットサイズというのは、前職の株式会社船井総合研究所で教わったエリアマーケティングの基礎的概念で、丁寧に表現すると「特定の消費に対する国民ひとりあたり年間消費支出金額」。

その商品やサービスに対する全国の年間市場規模合計÷日本の総人口から算出されます。

温浴施設の場合は、全国の入浴料売上合計約1兆円を総人口1.2億人で割ると、およそ8,000円/人というマーケットサイズになっていました。

この温浴マーケットサイズを毎年算出するのは、20年来の私のライフワークとなっているのですが、コロナ禍での休業要請、その後も続く外出控えや自粛ムードを受けて、全国の温浴施設の売上は激減し、廃業件数も増えつつあります。

当面は7割経済が続くと言われていますが、そうなると温浴マーケットサイズも8,000円ではなく、7割経済なら2020年以降はいきなり5,600円/人になってしまうのだろうか?という疑問を悶々と抱えていたのです。

仮にそうなれば、新規開業時の売上予測や、既存店の商圏内ポジションを確かめる時には、商圏人口×5,600円で計算するか、従来の8,000円を使いつつ、コロナ指数70%を掛けて補正するかして地域の市場規模を算出し、新規開業の場合はそこに予測シェア(市場占有率)を掛けて売上を予測する、あるいは既存店の経営診断の場合は売上で除して現状シェアを確かめるといった手法が必要となります。

商圏人口10万人なら、その地域の入浴料市場規模は年間8億円ではなく、5.6億円。一番店シェア26%を獲得できたとしても、入浴料売上は1.5億円。付帯収入合わせても年商3億円。投資回転率0.5%から逆算すれば、適正投資額は6億円までとなります。

商圏人口10万人の地域で、初期投資6億円以下の温浴施設が地域一番店になれるでしょうか?昨今の坪当たり建築コスト高騰を考えれば、温泉を掘削せずに延床面積で300坪作れるかどうかというところですから、それで地域で一番強い温浴施設になるというのはどうにもイメージがつきません。

コロナ禍によって、私の中にあった温浴施設開発の勝利の方程式のようなイメージは、ガタガタと崩れてしまったのです。

そんな売上予測で強引に事業採算を合わせようとすれば、無茶な建築コストの削減や営業支出の抑制、付帯部門売上のアップといった数値操作をしなければならず、どんどん実態と乖離した実現不可能な計画になっていきます。

実現不可能な事業計画を作るコンサルタントなど誰にも信用されませんから、もはや身動きがとれません。もし従来のような業態標準化が進んだスーパー銭湯を開業したいという依頼があっても、仕事をお断りするしかないだろうし、そもそも新規開業の相談などコロナ禍が終息するまで当分の間は来ないだろう…そう考えていました。

ところがどうやら気持ちが萎縮していたのは私の方だったようで、現実はそうではありませんでした。弊社への新規開業やリニューアルのご相談件数はコロナ前よりもむしろ増える傾向になったのです。

しかも、そのご相談内容は標準的なスーパー銭湯の新規開業ではありませんでした。ターゲットを極端に絞ったり、施設規模を大幅に縮小したりと、かなり大胆な仮説をお持ちでした。

さすがに経営者はリアリスト。コロナ禍の現実を見据え、従来の常識が通用しなくなっていることを冷静に見切りつつ、逆に新しいマーケットが動き出すチャンスと見ているのです。

「日本人のうち、温浴施設を定期的にリピート利用する習慣を持つ人はおよそ2割」と言われていましたが、その2割のマーケットが縮小してしまったのなら、残り8割の潜在マーケットを開拓する方向に目を向けているということでしょう。

そういうことであれば、これまで温めてきた新業態のアイデアを世に問う時が来たのかも知れないと思い、新業態開発をテーマにしたセミナーを開催することにしました。

ご提案する新・10業態の概要は以下を予定しています。
[1]異業種コラボレーションでリスク分散、投資軽減、集客力アップ!
[2]究極のローコスト開発を可能にする新業態はこれだ!
[3]何坪なら成り立つ?急増する空き物件を活用した飲食と男女浴室を備えたミニマムサイズ温浴施設
[4]新しい温浴マーケットがここにある!理論上全国で60施設成立する新業態
[5]サウナ施設の進化版「スーパーサウナ」とは
[6]観光マーケットを取り込むデスティネーション型温浴施設
[7]パーソナライズ型温浴施設でマーケット多様化時代に対応!
[8]サウナユーザーのニーズに応える「無限水風呂∞」
[9]飲食・アルコール売上を飛躍的に伸ばす非公衆浴場業態とは!
[10]災害大国日本。あらゆる災害に負けない施設とは

このタイトルを見れば、以前からこのメルマガを読んでいただいている読者の皆様には、私が今回何を伝えようとしているのか、半分くらいは想像がつくと思います。

単なるアイデアの話ではなくて、アクア・プランニングさんにもご協力いただき、それぞれの業態の具体的なマーケティング戦略、施設プラン、投資額予測、事業収支モデルを準備してお伝えします。

新規開業に限らず、既存施設の戦略転換やリニューアルにも使えるヒントが満載です。

10月27日(火)14時より、遠方の方や外出しにくい方もオンライン参加も可能ですので、お聞き逃しなく。
・セミナーの詳細ご案内はコチラ https://bit.ly/30xzTXl

アクトパスクラブ会員企業様は、会員特典によりご参加無料となります。

(望月)

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