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今日は 2020年9月1日です。
◆またひとつ銭湯再生
都内で会議があったので、帰りがけにリニューアルオープンから1週間の黄金湯(東京都墨田区*1)に行ってきました。
廃業相次ぐ銭湯業界の中で珍しい大規模リニューアル、近隣の大黒湯オーナーが再生を手掛け、クラウドファンディングによる一部資金の調達、スキーマ建築計画の長坂常氏がデザインを担当したことなど話題が多く、注目の施設です。
https://twitter.com/02637online/status/1296978825528606723
通常はオープンから1週間のタイミングではまだ運営の混乱が収まっていない時期なので、1ヶ月くらい経った頃に行くことが多いのですが、黄金湯を運営しているのは銭湯経営のベテランですから問題ないだろうと考えたのです。
想像通り、運営は落ち着いたものでした。
施設内容は、これが古い銭湯だったとは信じられないくらい、想像以上に素晴らしいものでした。
浴槽は炭酸泉と薬湯とあつ湯の3種。水風呂は内湯に1つと露天に1つ。壁面が麦飯石のサウナはオートロウリュ。DJブースのような番台ではクラフトビール。これらがBLUE BOTTLE COFFEEやドシー℃などを手掛けた長坂氏のデザインによって恰好良くまとめられています。
特にサウナ→水風呂→外気浴のサウナ環境は小規模ですがクオリティが非常に高く、サウナファンがたくさん集まっていました。
男性サウナ室はギュウ詰めで12人収容できるのですが、常に満員状態で、外からサウナ室内の様子をうかがって座る場所がなくウロウロ待つ人が続出。大きく深い水風呂は16℃。外気浴チェアはホースシャワーで流せるようになっていて、冷える足元には足置き台まで設置。サウナファンが喜ばないはずがありません。
決して広くはない浴室空間に人気アイテムがコンパクトに収まっていてクオリティも高い。恵比寿のドシー℃の時は長坂氏の意欲的な設計デザインに感心したり驚いたりしつつも、メルマガ第644号「ドシー(℃)恵比寿の試み」(2018年4月4日執筆)では「温浴施設設計のセオリーにとらわれないでやっていることが、すべてプラスに出ているというわけではありませんが、意欲的挑戦の数々は成功、失敗いずれであっても教わるべきことが多々あります。」とまとめていました。
ところが今回の小金湯では、ドシー℃同じようにモダンで素材感を活かしたコンパクトデザインなのですが、きっちり適正サイズに収まっていてレイアウトや動線にも違和感を感じません。これには理由があって、黄金湯では温浴設計アドバイザーとしてアクア・プランニングの中村社長が陰で仕事をしていたのです。
斬新なデザインをする建築家と、温浴の専門知識を持った設計事務所の両者の長所を使いこなす手法は池袋の「かるまる」と一緒で、これからの温浴施設設計のトレンドとなってくるのかも知れません。
さらに注目は…
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