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今日は 2020年7月29日です。
◆どさくさ紛れ
本来、館内のすべての機能やサービスはお客さまが享受できる権利であり、入館料に含まれている以上は常に万全な状態で提供することを約束するべきものです。
例えば、事前に予告することもなく度々臨時休館する施設があったら、「あの施設に行ってもいつ休んでいるか分からないから」と評価されるにようになります。
いつも使っているジェットバスのジェットが故障で噴出しなくなっていたら、同じ入館料なのにお目当てのジェットが使えない人は損した気分です。
館内は常にメンテンナンスが行き届いて全ての機能が保たれ、料金設定や営業方針は安易に変更されることがない。それが施設に対する信頼感や安心感につながると考えられてきました。
華々しく開催される一過性のイベントなどとは違って、顧客との信頼関係を裏切らないために、常に安定した価値を提供し続けようとする施設の地道な努力は並大抵のことではありません。
ところが、このコロナ禍によって、営業縮小や臨時休館、再開しても入館人数制限やイベント中止など、業績的にはマイナスになりかねない突然の変更を強いられる日々が続きました。
世の中全体が半分パニックのような状態に陥り、消費者も施設もどうしたら良いのか、何が正解なのかも分かりません。安定した価値による信頼関係などとは言っていられなくなってしまったのです。
このことをポジティブにとらえれば、今まで変えたくても変えられなかったことを変更してみるチャンスなのではないでしょうか。
休館日、営業時間、料金体系、館内サービス、固定的サービスデー…非常時の今、もしこれらを変更しても、お客さまの信頼を裏切るとか、苦情を言われる心配はほとんどないでしょう。
どさくさ紛れと言っては言葉が悪いですが、大胆な変更や実験をできるチャンスが来ていると考えてみてください。
柔道では、技をかける前に相手を「崩す」というプロセスがあります。がっちり踏ん張っている人をいきなり投げるのは難しいのですが、動いて重心が不安定になっているところでタイミング良く仕掛けるから大技が決まるのです。
それと同じことで、今なら大技が決まりやすいタイミングだと言えます。いつまでもコロナにやられっぱなしではなく、反撃を考えるべき時なのです。
(望月)