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今日は 2020年7月25日です。
◆安近短の安
日本で新コロ騒動が始まってからはや半年。
実際の重症患者や死者数は当初警戒されていたほど多くなく、交通事故やインフルエンザなど他のリスク対応とのバランスがおかしいじゃないかという指摘もありますが、現実問題として感染不安心理は大衆に深く刻み込まれてしまい、経済活動に制約のある状態が続いています。
雇い止め、内定取り消し、ボーナスカット、残業なしといったニュースも聞こえており、収入減少による消費の低迷が長期化することは、もはや確定路線と考える他なさそうです。
かつてのリーマンショックの時にも、大幅な収入減と消費の低迷が長期化しました。
国税庁が毎年公表している「民間給与実態統計調査」によれば、2007年の平均給与額が437万円だったのが、2009年には406万円、その差31万円、減少率にして7.1%でした。
2007年水準をようやく超えたのは2018年。回復に10年もかかったのです。
今回のコロナショックは既にリーマンショックを上回るインパクトになっていますから、そのダメージは計り知れません。
たとえば給与400万円くらいで考えると、去年の増税で▲8万円、今年のコロナでリーマンショック同様に▲31万円としたなら、合わせて年間40万円近い収入減ですから、相当な緊縮財政となり、不要不急の出費を控えることになります。平均的にそうなるということなのです。
この現実を踏まえた長期戦略が必要です。
しかし、いま言われている安近短の「安」は決して「安さ」ではありません。「安全」「安心」の「安」です。
「生活応援」などと言って安さで集客しようとすれば薄利多売とならざるを得ず、より多くの客数を必要とします。仮に集客に成功しても今度は混雑が嫌われてしまいます。
消費低迷と感染不安心理が同時に存在していることは、店舗集客型ビジネスにとっては潰れろと言われているに等しい現実なのです。
同じやり方を続けていては過去より客数減となるということを前提に、それでも存続できる事業形態にシフトするしかありません。
感染拡大防止対策というのはあくまでも戦闘レベルの応急措置。
異業種の動向をみていると、「安全」「安心」を前提にしつつ、客数減でも存続できる事業形態へと変化する動きが始まっています。
薄利多売だった温浴施設も、戦略の切り替えを決断すべきタイミングが来ていると感じています。
(望月)